熊本ユースは敗退決定に涙…プレミア勢と連日大接戦も「結果につなげないといけない」
ゲキサカ / 2018年7月24日 18時30分
[7.23 日本クラブユース選手権U-18大会GL第2節 磐田U-18 1-0 熊本ユース 前橋総合]
高校年代最高峰のプレミアリーグ勢に挑んだ2日間。熊本県リーグ所属のロアッソ熊本ユースは、ほんのわずかな差で涙をのんだ。中山貴夫監督は「良いゲームはできるようになってきたが、これを結果につなげないといけない」と前を見据えていた。
2連覇王者のFC東京U-18に挑んだ初戦は後半アディショナルタイムの失点で惜敗。手応えと課題を携えて臨んだ磐田U-18戦では、最後の最後まで一方的な猛攻を展開した。だが、前半に喫したPKでの失点がのしかかり、0-1でまたしても敗北。2連敗でグループリーグ敗退が決まってしまった。
「あとちょっとのところで点が取り切れない。あとちょっとで守り切れない。それは、やっぱり差があるということ」。昨季からチームを率いている指揮官は試合後、目の前の結果を素直に受け止めた。「球際を一つ見てもそう、ほんのちょっとしたところに差がつく。でも、こういった経験をしないと気付けないものですからね」
試合後、多くの選手たちが涙を流し、強豪相手の敗戦に心底悔しそうな様子を見せていた。主将のDF宮嵜海斗(3年)は「監督が2年目になるけど、僕たちはずっと同じサッカーをしてきた。積み上げてたものに自信を持ってやってきた」と明かした。クラブ史上3回目の全国挑戦になるが、本気で勝つためにやってきたことを示す言葉だった。
実際、その自信は試合中にも見て取れた。序盤に猛攻をしかけられた場面では4バックがしっかり跳ね返し、数々のピンチをしぶとく耐え抜いた。そして後半、相手の運動量が落ちてくると、ショートパスを効果的につなぐ組み立てで攻撃を展開。密集時には効果的なサイドチェンジも繰り出し、練度に裏打ちされた判断の速さが光っていた。
「自分たちのプレーモデルはあるけど、相手を見ながら、色んな選択肢を持ちながら前に進むというのを大事にしている。長いボールがダメというわけではないし、それによって中盤にスペースをつくることもできる。重要なのは自分たちのアクションによって、相手の動きを変えていくこと」(中山監督)。そんな言葉どおりのサッカーはピッチ上でしっかり体現されていた。
全国大会の経験もバネにしようとしているが、身近なライバルからも刺激にしている。「鳥栖に九州をリードされているのは間違いない。ただ、身近にそういうところができてくれて、スタイルは違うけど、うちに必要な部分を持っている。戦う姿勢、ハートを持っているし、うちもそれ以上に頑張っていかないといけない」
今季の目標は昨季降格したプリンスリーグ九州への返り咲き。だがもう一つ、目の前に乗り越えるべき壁が残されている。「ロアッソはこの大会で歴史上勝ったことがない。たくさんの方が遠くから応援に来てくれていて、勝って帰るか勝てずに帰るかは全然違うと思う。僕たちが勝つことでお礼をしたい」(宮嵜)。導いてくれる指揮官のため、猛暑の中で声援を送ってくれるサポーターのため、クラブの意地を懸けてグループリーグ第3節の金沢U-18戦に臨む。
(取材・文 竹内達也)●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ
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