森保監督が踏襲する“西野流”…あえての4バックで初陣へ
ゲキサカ / 2018年9月10日 18時23分
あえて“オプション”の4バックで初陣に臨む。日本代表の森保一監督は広島監督時代もU-21日本代表でも3-4-2-1を基本布陣としてきた。札幌での合宿初日となった3日の練習後には「私が長くやってきた形でもあるので、基本的にはベースとして持っておきたいというのはある」と、3-4-2-1をベースとする意向を示していたが、7日の紅白戦では両チームともに4-2-3-1のシステムを採用した。
自身の初陣となる11日のキリンチャレンジカップ・コスタリカ戦(吹田S)にも4-2-3-1で臨む可能性が高いが、試合前日の記者会見では「いろんな変化に対応力を持って、柔軟に臨機応変にやっていくという部分を持ってほしいという意味で、紅白戦は今までやっていない形でトライしてもらった」と説明。「選手としての引き出しがより個々で増えるように、チームとしてもいろんな戦いができる力を付けていけるようにしていければと思っている」と、その意図を明かした。
ロシアW杯では西野朗前監督の下、コーチとしてチームをサポートし、2大会ぶりの16強進出を経験した。「ロシアW杯で西野監督がやられていたことを学べたこと、経験できたことは非常に大きいと思う。自分が学んできたことをいい形でチームに落とし込んでいくことは私自身、トライしてやっていきたい」。選手へのアプローチや短期間でチームをまとめ上げた前任者の手腕が森保監督に与えた影響は大きいようだ。
西野前監督もW杯前の国内合宿では3バックをテストし、壮行試合となった5月30日のガーナ戦にも3-4-2-1のシステムで臨んだ。しかし、事前キャンプ地のオーストリアに入ってからは一貫して4-2-3-1を採用。ロシアW杯もあくまで4バックをベースにして戦った。
西野前監督はガーナ戦前日に「3バックをチームのベースとして持ちたいということではない。対戦相手、試合の状況の中で変えていく、それに選手が対応していく。そういう感覚を選手たちに持ってほしい」と、あえて選手が慣れていない3バックで初陣に臨む理由を語っていたが、森保監督の思惑も前監督と同じだ。
「西野さんがチームに働きかけていたアプローチは素晴らしいなと思ったし、その期間に経験させていただいたこと、学ばせていただいたことをチームに落とし込んでやっていきたい」と、“西野流”を踏襲する森保監督。あえてベースの3バックではなく4バックで初陣に臨むことで、選手に臨機応変な対応力を意識付けする狙いがありそうだ。
(取材・文 西山紘平)
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