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[スペシャルオリンピックス日本]優勝したSON・熊本の田端主将を支えた「ネイマールの生き様」 

ゲキサカ / 2018年9月25日 7時57分

チームに安心感を与えた田端映規

[9.24 スペシャルオリンピックス愛知大会 決勝 熊本 14-0 愛知B トヨタスポーツセンター]
 「ヨシッ」。ゴールを決めた瞬間、SON(スペシャルオリンピックス日本)・熊本の田端映規は腹の底から大声が出た。この日田端が奪った唯一のゴールは勝敗が決した試合の終盤だったが、田端にとっては格別だった。

「コーチからは、チャンスがあると思ったら狙っていけと言われました。金メダルは両親に見せるのではなく、プレゼントしたい。お父さん、お母さんのおかげでここに立っていられますから。今まで苦労を掛けた分、このメダルで感謝を伝えたいです」

 生まれたときは元気な赤ちゃんだったが、3歳の頃、階段から落ちてしまい、てんかんがはじまった。発作がおこるたびに、人からバカにされた。友人を驚かせたくない気持ちが強く、今でも発作を予防する薬は手放せない。 

「何でこんなことになってしまったのだろうと考えたことはあるんです。でも親は僕を健康に生んでくれた。親に対してそういうことを直接は言いたくなかった」

トヨタ自動車・豊田章男社長は多忙の合間を縫って、サッカーと卓球の会場に足を運んだ
 自分ではどうしようもない現実に葛藤を覚えながら10年以上過ごしていたある日、たまたまテレビでブラジル代表の世界的スター、ネイマールの映像を見た。スパイクに刻まれていた「アレグリア(ALEGRIA)」についての紹介だった。
 
「笑顔という意味もあるそうです。『笑っていれば、いつかいいことがある』。ネイマール選手も自分が笑うだけでなく、ファンを笑顔にする努力もしている。たとえばピッチに降りてきてしまったファンにも快くサインをする。あの映像で勇気づけられました。僕自身が変わって、何事にもきちんと向き合いたいと考えるきっかけになりました」
 
 父・文一さん、母・美代子さんを笑顔にするために田端は奮闘し、栄光をつかみとった。表彰台で両手をあげて見せた笑顔は、首から下げた金メダルのように輝いていた。

(取材・文 林健太郎)
●障がい者サッカー特集ページ

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