[MOM2637]市立船橋DF岸本駿朔(3年)_特別な相手との、特別な90分間。古巣対決で輝いたかつての“人柄・サイズ枠”
ゲキサカ / 2018年10月9日 6時41分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.7 高円宮杯プレミアリーグEAST第15節 鹿島ユース 1-2 市立船橋高 鹿島G]
首位を走る鹿島アントラーズユースを撃破した試合直後。相手の攻撃を跳ね返し続けた屈強なCBは、「いやあ、もうメッチャクチャ嬉しかったです、本当に。プレミアでは今までで一番嬉しかったです」と相好を崩す。市立船橋高でディフェンスリーダーを託された岸本駿朔(3年)の、前所属欄に記される“鹿島アントラーズつくばジュニアユース”の文字。特別な相手との、特別な90分間は、やはり思っていた以上に特別な時間だった。
鹿島ユースのホームに、市立船橋が乗り込んだ高円宮杯プレミアリーグEAST第15節。依然として残留争いの渦中にいるチームにとっては、アウェイゲームとはいえ、勝ち点3が是が非でも欲しいゲーム。かつてそのエンブレムを胸に戦っていた“古巣”との対戦でもあり、さらに前期はホームで敗れていることもプラスされ、岸本も「絶対に負けたくないという気持ちで」ピッチへ足を踏み入れる。
両チームの握手時に赤塚ミカエル(3年)の肩を叩く。ジュニアユース時代の同級生でもあり、「前期もそうだったので、今回もマッチアップだろうなと思っていた」相手のストライカー。「普通にそこは頑張ろうぜという感じ」で気合を入れ合ったが、開始4分でその元チームメイトにFKから先制ゴールを許してしまう。警戒していたセットプレーでの失点。早くもビハインドを背負う展開となる。
19分。岸本にイエローカードが提示される。ファウルで倒したのは、やはりジュニアユース時代のチームメイトに当たる佐々木翔悟(3年)。「あのシーンも熱くなり過ぎて、岡井に『冷静にやれ』って言われました」と苦笑する岸本の言葉を受け、「『気合が入り過ぎないように』というのは常に声を掛けていました」と岡井駿典(3年)。キャプテンの落ち着いたアドバイスもあり、少しずつ冷静さを取り戻すと、チームも35分に佐藤圭祐(3年)のゴールで同点に追い付いてみせる。
そして、自身のストロングを大いに発揮したのは44分。サインプレーを駆使した井上怜(3年)のCKはファーサイドへ。ここに走り込んでいた岸本が高い打点のヘディングで折り返すと、田谷澪斗(3年)のボレーはクロスバーを叩いてゴールへ弾み込む。「いつも紅白戦とか練習でもサインを変えながらやっていて、開幕戦もああいう形で点を取ったんですけど、アレはホントにメッチャ嬉しかったです」と笑顔の岸本。前半の内に市立船橋は逆転に成功した。
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