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後輩FWの活躍が変化のきっかけに。桐生一のボランチ・田中渉が仙台へ

ゲキサカ / 2018年10月12日 21時19分

ベガルタ仙台への加入が内定した桐生一高MF田中渉

 11日にベガルタ仙台への加入内定が発表された桐生一高のMF田中渉(3年)は、そのプレーから独特の世界観を感じられる選手だ。

 現在、彼は桐生一で3-4-2-1システムのボランチとして、ゲームをコントロールする役割を担っている。卓越したボールコントロールと、複数のマークにあっても慌てること無く、瞬時に相手の状況を観察して、素早い判断から巧みにボールをさばいて行く。

 このプレースタイルは最高学年になって身に付いたものだった。昨年まで彼の主戦場は右サイドハーフ。判断力と足下の技術をドリブルに反映させ、ドリブル突破からのシュートやラストパスでチームに貢献をしていた。一方で彼は昨年の夏にボランチでテストもされている。そこで高い適応能力を発揮させていた田中は、今年初めからボランチに定着し、能力を開花させた。

 桐生一では彼よりも先に2年生FWに注目が集まった。スピードに乗った突破と動き出しがうまいFW若月大和が今年に入って一気に台頭し、U-17日本代表に選出されるなど、Jクラブのスカウトが熱視線を送る存在となった。チームも今年からプリンスリーグ関東に昇格をしたことにより、ハイレベルな相手と試合が出来、スカウトが足を運ぶ機会も県リーグとは比べ物にならないくらい増えた。

 こうした副産物からボランチで圧倒的な存在感を放ち始めた田中が、徐々に注目されていくことは必然的なことであった。「春先は大和の調子が物凄く良くて、頼もしさもあったのですが、正直悔しさもあった。周りの印象が『若月大和率いる桐生第一』となるのが嫌だった。そこから自分の意識が変わりました。3年生である自分がやらないといけないと強く思うようになって、ただ大和に点を獲って欲しいのではなくて、『俺のパスから決めてくれ』と強く思うようになりました。プレーに責任と言うか、より自覚が芽生えたと思っています」。

 下級生が注目されることをエネルギーに変えて、よりプレーを磨いて行った結果、6月に彼のところに仙台から練習参加のオファーが届いた。「練習参加をさせてもらって、自分が上手くなる環境だと思いました。監督やスカウトの方に『寄せの甘さとか、球際の執着心が足りない』と、自分の課題をはっきりと分からせてくれた環境なので、ここできちっとやれば、絶対に伸びると思えました。最初は大学志望だったのですが、ベガルタの練習に参加して以降は、本気でプロ入りを考えるようになりました」。

 一気に広がったチャンスを彼はモノにすべく、さらに意識を高めて課題にも意欲的に取り組んだ。夏を過ぎると自らプレスバックでボールを奪い取ってから前にドリブルで運んで決定的なラストパスを送ったり、目が覚めるようなミドルシュートを放ったりと、明らかにプレーエリアとプレー強度が増した。こうした変化が、仙台からの正式オファーを引き寄せた。

「プロが決まった以上、もう下手なプレーは出来ません。まずは選手権予選で前橋育英を倒して、プリンスリーグ関東も上を目指せるので頑張りたい」。チャンスを引き寄せた男は、残りの高校生活で悲願の全国大会出場とプレミア昇格を狙う。

(取材・文 安藤隆人)

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