1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

[MOM564]関西学院大GK妻鹿寛史(4年)_這い上がってきた守護神、「ラストイヤーは譲れない」

ゲキサカ / 2018年10月20日 12時5分

関西学院大GK妻鹿寛史

[10.14 第96回関西学生L 後期第5節 関西学院大4-1近畿大 西京極総合運動公園陸上競技場]

 シュート数は双方14本と互角の内容だった。しかし、結果は4-1。関西学院大GK妻鹿寛史(4年=立正大淞南高)が近畿大のシュートを防ぎ切り、試合の流れを渡さなかったからだ。

「立ち上がりが悪かった」と関学大・高橋宏次郎ヘッドコーチが話したように、序盤は近大にペースを握られた。セットプレーから先制点を献上し、サイドを使えず後手に回った。MF岩本和希(3年=G大阪ユース)のゴールで追いつくが、後半もカウンターから近大に決定機を作られる。だが、再三のピンチを妻鹿がセーブ。追加点を与えず、相手へと傾きかけた流れを引き戻したことで、徐々に攻撃のリズムも生まれ、逆転勝利につながった。

 ビッグセーブについて、「DFがここしかないというコースに誘導してくれたので、1対1の場面は主導権を握って止めることができた。チームとしてまとまり、連携をとれたプレーでいいところを出せたと思う」と妻鹿は謙虚に振り返る。中島健吾GKコーチが「妻鹿の良さはシュートストップ」と挙げる長所は、天皇杯2回戦・G大阪戦でも発揮され、経験豊富なJリーガーのシュートを跳ね返してジャイアントキリング達成の大きな力となった。

 今年はリーグ開幕戦からゴールマウスを守り続ける妻鹿だが、Aチームでの出場機会はなかなかつかめなかった。「自分が幼かったんですけど、出られないことに納得できず、他人のせいにしていた」という気持ちを見透かされ、1回生の夏にはCチーム行きを告げられた。だが、そのCチームでコンダクター(学生コーチ)を務めていた4回生が変わるきっかけをくれた。腐りそうになってた自分に対し、本気で向き合い、叱ってくれる先輩の存在により、ベクトルを自分に向けられるように変わっていった。そして昨年、中島GKコーチが就任し、濃密なGKトレーニングを積み重ねられたことが、今季の活躍につながった。

 中島GKコーチも「自分が出て『任されている』という責任感が、4回生になって表れてきた。試合の要所で瞬間の集中力を発揮し、セーブしている」と妻鹿の成長を口にする。反面、「フィールドプレイヤーに対して、自分で自分を下げているところがある。『自信を持って止める』という本来の役割を遂行しているという誇りを持ち、堂々と振る舞うことで、DFラインを引き締めて欲しい」と、最上級生としての役割も期待する。本人も「コーチングの部分でもっとやらなあかん。迫力を持って試合を締めることができる支柱になりたい」と守護神としての責任をより強く感じている。

 現在2位につける関学大だが、今年は総理大臣杯出場を逃す悔しさも味わった。混戦のリーグを勝ちぬくためにも気は抜けない。「ラストイヤーは譲れない。そういう意味でプレッシャーを感じつつ闘っている」と話す妻鹿が、チームのために気迫を込めてゴールを守り抜く。

(取材・文 蟹江恭代)●第96回関西学生リーグ特集

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください