“赤き血のイレブン”浦和南、南高魂の2ゴールで実力校・昌平を逆転!17年ぶり全国へ:埼玉
ゲキサカ / 2018年11月19日 9時45分
[11.18 選手権埼玉県予選決勝 昌平1-2浦和南 埼玉]
第97回全国高校サッカー選手権大会の埼玉県予選決勝が18日に埼玉スタジアムで行われ、浦和南高が昌平高を2-1で下し、17年ぶり12回目の選手権出場を決めた。
浦和東高で元日本代表GK川島永嗣らを育て上げた実績を持つ野崎正治監督(59)が、母校の再建を託されて四半世紀ぶりに再赴任したのが2013年。「感無量。その一言。まだ夢を見ているんじゃないかと思います」。17年ぶりの復活劇にさすがの名将も言葉を探すのに必死の様子だった。
“赤き血のイレブン”が選手権の舞台に帰ってくる。1970年代初頭、1969年に高校三冠(選手権、インターハイ、国体)を飾った浦和南をモデルとしたアニメが大ヒット。野崎監督の少し先輩にあたる世代の話だが、当時の監督で恩師である松本暁司氏の教えを継承。“南高魂”(なんこうだましい)を子供たちに植え付けてきた。
この日も魂のプレーが見られた。主導権を握られることは想定内、先制されることも想定内、「連続失点だけはするな」とイレブンを鼓舞し、反撃の機会を伺った。そして後半22分、右CKからシュートが相手の手に当たってハンド。これで得たPKをMF大坂悠力(3年)が落ち着いて沈める。
さらに後半31分、MF鹿又耕作(3年)がゴール前に蹴り入れたFKから混戦が生まれる。これに大坂が頭で飛び込む気迫をみせてボールを押し込むと、再びこぼれたボールをDF庄司千暁(2年)が右足で蹴り込み、試合をひっくり返した。
イレブンの多くは「野崎先生に教えてもらいたい」という思いで浦和南にやってきた。その一人である逆転弾を蹴り込んだ庄司は、後半20分過ぎから両足がつっていたというが、気持ちで走り抜いた。
今季は夏に埼玉第2代表として9年ぶりのインターハイを経験。着実に力をつけて、埼玉県王者に返り咲いた。あとはこの日見せたような「気持ち」を、いかに全国で見せつけることが出来るか。“南高魂”に衰えがないことを、正月の舞台で示すだけだ。
(取材・文 児玉幸洋)●【特設】高校選手権2018
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