「見ていて気持ちいい」現代表GKも感嘆…西川周作が主要タイトル全制覇
ゲキサカ / 2018年12月10日 1時45分
[12.9 天皇杯決勝 浦和1-0仙台 埼玉]
危なげない完封劇だった。浦和レッズは前半26分、GK西川周作がMF野津田岳人の強烈な左足ミドルを弾き出すと、その後も1点のリードを粘り強く守り抜く。シュート数では7本対16本と倍以上を浴びたが、その多くは枠を外れるか、西川の正面に飛んだ。「相手のやり方は理解して(試合に)入った。怖さはそんなになかった」という守護神の言葉は本音だろう。
この日は“新旧”代表GK対決でもあった。昨年11月の欧州遠征を最後に日本代表から遠ざかっている西川に対し、仙台のゴールを守ったGKシュミット・ダニエルは森保ジャパンで代表に定着。11月16日のベネズエラ戦ではA代表デビューも果たした。
197cmの長身ながら足元の技術にも定評があり、そのフィードやビルドアップ能力を森保一監督にも評価されているシュミットだが、それは西川も武器にしているところ。この日も随所に正確なフィードを見せ、これにはシュミットも「狙ったところに確実に蹴れる選手。ボールの回転も毎回きれいだし、見ていて気持ちいいキックをする。落ち着いているし、力みもない。そこは参考にしたい」と素直に感嘆した。
12大会ぶり3度目(前身の三菱重工時代を含めると7度目)の天皇杯制覇となった浦和だが、西川にとっては初の天皇杯優勝だった。大分で08年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)、広島で12、13年にリーグ連覇を経験。浦和では16年にルヴァン杯、17年にACL、そして今季は天皇杯と3年連続でタイトルを獲得し、これで主要タイトルはすべて制覇した。
「天皇杯は僕個人としては取れていなかった。チームとして毎年、何かしらのタイトルを取れているのは浦和の強みだと思う」。2回戦からの計6試合で喫した失点はわずかに1。そのすべてでゴールを守った32歳が示した貫禄のタイトル獲得だった。
(取材・文 西山紘平)
●第98回天皇杯特設ページ
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