麻也には苦い教訓も…アジア杯初登場のVAR、これだけは知っておきたい5つの注意点
ゲキサカ / 2019年1月23日 14時5分
UAEで開催中のアジアカップ2019では、準々決勝からビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の採用が決まっている。昨夏のロシアW杯では賛否入り混じる論争を巻き起こし、徐々に周知も広がりつつある新制度だが、ここであらためて注意点を整理しておきたい。
VARは、主審、副審、第4審などのピッチ周辺に立つ審判員とは異なり、別室のモニタールームで仕事を行う審判員のこと。スタジアムの各所に設置したカメラから送られてくる映像を確認し、無線機器を通じて主審とコミュニケーションを取りながら、重大な誤審を犯した場合にのみ介入を行う。
サッカーのルールを定める国際サッカー評議会(IFAB)は昨年1月、世界中で行ってきたVARテストの結果を発表し、ジャッジの精度が93%から98.9%に向上したというデータを示した。国際サッカー連盟(FIFA)はこの効果を前向きに受け止めており、W杯など様々な大会での導入を積極的に進めている。
とはいえ、なおも過渡期にあるのが現状。「最小限の介入で最大限の効果を」という理念のとおり、全ての誤審が消えるわけではないし、最終的には人間が判断するという根幹は変わらない。すなわち、運用上の問題が生じる余地は残されており、それらに対する理解をしておく必要はあるだろう。
この記事では、VARのルールにまつわる5つの注意点を紹介する。
【注意点1】VARは全ての判定には介入できない
大前提として、VARが介入できるのは「明白かつ確実な誤審」のみだ。つまり、誤審があったのか分かりにくい場合、また映像で確認しても判断が分かれそうな場合には、介入の対象にはならない。一つ一つのケースにいちいち介入していると、試合の流れを止めてしまうからだ。
また、介入の対象となるのは①得点②PK③一発退場④人違いの4要素に関わる誤審だけだ。注意しておきたいのは、2枚目のイエローカード、FKに関する判定は覆されることがない。もっとも、PK判定の有無を判断した際に、結果としてイエローカードが提示されるなど、一部の例外はあり得る。
【注意点2】VARは『チャレンジシステム』ではない
VARの介入を判断することができるのは、主審のみだ。アメリカン・フットボールやテニスなどで導入されている『チャレンジシステム』とは大きく違う。もし、監督やチーム関係者が重大な誤審とみられる場面を目撃しても、VARの介入を促すことはできない。
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