読み切れなかった相手の出方…立ち上がりの混乱に森保監督「自分の責任」
ゲキサカ / 2019年2月2日 15時35分
[2.1 アジア杯決勝 日本1-3カタール アブダビ]
立ち上がりの混乱からチームを救う手立てはなかったのか。就任後12試合目での初黒星がアジアカップ決勝という大舞台になった日本代表の森保一監督は「試合が始まってからミスマッチが起こる中、かみ合わせがうまくいかない序盤の時間帯で失点してしまい、難しいゲームになった」と、前半27分までに2失点した序盤の試合展開を振り返った。
カタールは今大会、4バックと3バックを併用して勝ち上がってきた。準決勝のUAE戦(○4-0)は4バックだったが、グループリーグ最終戦のサウジアラビア戦(○2-0)、準々決勝の韓国戦(○1-0)には3バックで臨んでおり、ボールポゼッションを高めてくるチームに対しては3バックを採用する傾向があった。
しかし、FW大迫勇也が「どっちか分からない感じはあった」と話したように、事前のスカウティングでは読み切れなかった。ならばカタールがどちらで来てもいいような準備ができていたのかというと、序盤の戦いぶりを見る限りでは、どこか4バックを想定した準備に主眼を置いていたのではないか。森保監督は「3バックでやってくる相手であることも想定の中に入れながら準備をしてきたが、選手が思い切ってプレーできる状態に準備できなかった自分の責任かなと思っている」と率直に認めたが、大一番での“読み違え”はあまりに痛かった。
3バックに対する前線からのプレッシャーがハマらず、スペースの空いた中盤ではアンカーのDFアシム・マディボから何度も危険な縦パスを通された。自在に動くFWアクラム・アフィフにも翻弄され、後手後手を踏む間に2失点。徐々に対応していったとはいえ、あまりにも大きなハンデを背負うことになった。
2点ビハインドの状況で最初の交代は後半17分。同24分に1点を返したとはいえ、2枚目のカードは3失点目を喫した直後の後半39分に切られた。3人目の交代枠でMF乾貴士が投入されたのは後半44分。あまりにも残された時間は短かった。この試合だけでなく、大会を通して見ても森保監督が交代カードを切るタイミングは遅い傾向にあった。ターンオーバーしたグループリーグ最終戦のウズベキスタン戦(○2-1)を除くと、4試合に途中出場したMF伊東純也の出場時間は合計でも26分。同じく乾は2試合に途中出場したが、13分しかプレータイムがなかった。
ケガ人や出場停止が出ない限りはスタメンを固定し、先発の選手をできるだけ引っ張る。今大会7試合目となった決勝で、そのひずみが出たのではないか。スカウティングがハマらないこともある。試合中にベンチからの指示で戦術を徹底するにも限界はあるだろう。その意味で指揮官が選手にピッチ上の「対応力」と「修正力」を求めることは理解できる。しかしそれでも、采配とベンチワークには疑問が残る大会となった。
(取材・文 西山紘平)
●アジアカップ2019特設ページ
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