[新人戦]選手権出場が財産に。東邦が後半4発で愛知決勝進出
ゲキサカ / 2019年2月12日 18時35分
[2.11 愛知県高校新人大会準決勝 東邦高 4-0 愛工大名電高 口論義公園]
平成30年度愛知県高校サッカー新人大会の準決勝が11日に行われ、東邦高と愛工大名電高が対戦。後半の4ゴールによって、東邦が4-0で勝利した。
選手権予選王者である東邦が力の差を見せつけた。試合開始と共に積極的にDFラインの裏へとボールを配給した東邦は、前半4分にMF大藤光輝(2年)が左サイドを突破。深い位置から低く入れたクロスがゴール前に入ったが、味方と合わない。直後にも大藤のクロスからMF野瀬翔也(1年)がヘディング弾を放ったが、シュートは惜しくも枠の外に逸れた。
FW成瀬秀真(2年)が「昨年のチームは試合の入り方が良くなくて先に失点して負ける試合が多かった。僕らの代は、最初の5分間は前の勢いを前面に押し出して戦おうと意識している」と話す戦いはできたが、1点が奪えないまま時間は過ぎていく。体調不良の横井由弦監督に代わって、指揮を執った澤田洋平部長はその理由についてこう振り返る。「試合の入りは良かったけど、クリアにシュートを打てる機会が少なかった。中の選手が我慢できず外に流れる機会が多かった」。
対する愛工大名電は修学旅行のため2年生の主力を多く欠いたが、GK安原哲平(1年)が思い切りの良い飛び出しでピンチを何度も防いだ。我慢を続けながら、速攻からチャンスを伺うと、13分には自陣でのクリアからチャンスが到来。FW平井碧(2年)がスピードを活かした突破でPA内への侵入を試みたが、東邦DF栗木良輔(2年)に拒まれた。
両者ゴールが奪えないまま前半を終えたが、後半に入ると東邦が攻撃を軌道修正し、サイドからの崩しを合わせるため、攻撃の際は中央の厚みを意識した。守備も中盤より後ろでの競り合いを修正したことで、前向きでボールを奪える場面が増加。OBであるDFアピアタウィア久(現・流通経済大)に憧れ、入学してきたDF家田龍之輔レイフ(1年)も身体能力を活かした守りを見せた。攻守ともに勢いに乗ったチームは後半19分に相手守備陣のバックパスを奪ったFW山口夕貴(2年)が先制点を叩き込んだ。
「1点獲れたら、雰囲気が良くなるチーム」(栗木)との言葉通り、山口のゴールによってチームに勢いが出た東邦は、直後の21分にもサイドチェンジからFW藤井滉陽(2年)が左サイドを突破。中への折り返しを野瀬が決めて、愛工大名電を引き離した。以降は攻撃のカードを積極的に入れ替えながら攻め続けて山口と野瀬が加点し、4-0で試合を終えた。
2年ぶりの選手権出場を果たした昨年度は、初戦で大分高(大分)に1-3で敗戦。悔しい結果で終わったが、全国を味わった経験はチームの財産になっている。「選手権に出た選手は少ないけど、メンバーに入った選手は何人かいるので、『俺らもあそこに行きたい』という気持ちになっている選手が多い。選手権が終わってから、皆で頑張ろうと意識が出ている」(澤田部長)。しぶとい戦いぶりが印象的だった昨年とは違い、今大会はここまで4試合で20得点無失点と他を圧倒する戦いを披露しているのもチームにとってプラス材料。「昨年の記録を塗り替えるために選手権で1勝したい」(栗木)との目標を達成するためにも、まずは1つめのタイトルを手にして、東邦の強さを示すつもりだ。
(取材・文 森田将義)
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