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[もうひとつの高校選手権・開幕まであと2日]出場校紹介:福岡県立特別支援学校「福岡高等学園」

ゲキサカ / 2019年2月15日 1時51分

練習中にダッシュする徳田雄斗主将(提供:福岡県立特別支援学校「福岡高等学園」

九州の新顔を支える情熱のぶつかり“愛”

 第4回全国知的障害特別支援学校高等部サッカー選手権「もうひとつの高校選手権」が16日に静岡県藤枝総合運動公園サッカー場で開幕する。代表10校を紹介する連載の9回目は、初出場の福岡県立特別支援学校「福岡高等学園」。

 開校32年目。歴史は長いが、「もうひとつの高校選手権」を目指したのは意外にも前回大会が初めて。生徒たちの熱い気持ちが参戦するきっかけとなっていた。福岡高等学園の奥山コーチが明かす。

 「ウチの学校と北九州高等学園が毎年10月に交流試合をやるんですが、数年前にその試合に負けたとき、生徒がすごく悔しさをあらわにしたんです。その光景を見たとき、『この子たちがもっと真剣勝負をする場を作ってあげたい』と考えました。それがきっかけで去年、初めて出場させていただきました。」

去年は全国大会には出場できなかったにも関わらず、中隈監督は静岡県藤枝市まで視察に行った。「ここに連れてきたい」という指導陣の思いも、実を結んだ。

日々の活動については、1時間程度の練習を週2~3日程度と、練習にあてられる時間はたっぷりあるわけではない。生徒たちが練習に対し、いい意味での「飢え」につながっている。

「たとえ練習日に雨が降って『中止にしようかな』とこちらが思っていても、「この雨なら外で行けますよ」と生徒が言ってくるようになりましたね」(奥山コーチ)

中隈監督と奥山コーチ、そして大村和成コーチは全員、高校時代、全国高校サッカーを目指した元プレーヤーで、しかも前任校では普通高校でサッカー部を率いた。

「僕らが3人そろっているときはなるべく、レベルごとに分けて、生徒と一緒にプレーするんです。私は36歳ですが、中隈監督と大村コーチはまだ30歳前半。『まだ選手たちには負けたくない』という気持ちでぶつかっていくと、特にあの2人の選手はガチンコで向かってきますね」(奥山コーチ)

「あの2人」はナショナルトレセンや九州トレセンにも呼ばれるまでに成長。主将の徳田雄斗(3年)は中盤で周りを生かしながら試合を組み立てる指令塔で、予選でも毎試合点をとった。FW奥田浩輔(3年)はスピードがあり、フィジカルも強く、シュート力もあり、チーム一の得点源だ。

「2人とも寄宿舎生活や学校生活、サッカーを通して成長してくれた。徳田は、自分のこともやりつつ、周りにも目を配れるようになりました。奥田は性格が明るくなり、毎日の生活に笑顔が増え、友達が増えた。僕たちが常日頃言っているのは、サッカーはひとりでできない、周りの人のサポートが必ずある、ということです。生徒たちにはそこを肝に銘じてプレーしてもらえれば。」

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