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[もうひとつの高校選手権・あす開幕]出場校紹介:東京都立志村学園

ゲキサカ / 2019年2月22日 22時44分

連覇を狙う東京都立志村学園の石綿洵哉主将と1年生のFW渡邉仁暉

王者が大会初の連覇にむけてやってきたこと

 第4回全国知的障害特別支援学校高等部サッカー選手権「もうひとつの高校選手権」が明日16日に静岡県藤枝総合運動公園サッカー場で開幕する。代表10校を紹介する連載の最終回は、前回王者の東京都立志村学園だ。

 全国86校で唯一、連覇を目指すことができる東京都立志村学園は、その重圧をエネルギーに変えて大会に乗り込む。小澤通晴監督が明かす。

「たとえばバスケットの名門・能代工が高校3大タイトル(インターハイ、国体、選抜大会)を3年連続で獲得する9冠を達成したとき、当時の監督さんが『他の学校は能代を目標にしてきている。能代はそれ以上のことをやらないといけないよ』という談話に目にしました。生徒たちにもその話をしてトレーニングをしています」

 では志村学園は他校の追随を許さないために、何にこだわってチームを作ってきたのだろうか。それはフィジカルでもテクニックでもない。持てる能力を最大限発揮させるために一番必要なスキルだった。小澤監督が続ける。

「話す力、聞く力を重視しています。トレーニングの中でも『この練習は何の目的か』ということを生徒に言わせるようにしているんです。ウチの学校の生徒もそうですし、今の子たち全般に言えると思うんですが、特にコミュニケーション能力に課題を抱えています。優勝した去年のチームに比べると、今年のチームの方がおとなしい。選手たちだけのミーティングで話をさせて、何をしたいのかという目的意識をはっきりさせたり、理解を深めたりするようにしています」

 対話する力を伸ばして選手としても成長を遂げたのは、日本代表にも選ばれた主将のMF石綿洵哉(3年)だ。中学まではサッカーの能力が高くても、周囲と話すことを苦手としていて、授業中は先生からさされても笑みを浮かべるしかなかった。しかし主将となった今年は毎日、練習前後2回、必ず石綿がしゃべる時間がある。小さな訓練の積み重ねによって自信が芽生え、変身をとげた石綿が明かす。

「話すことで、練習でやってきたことの課題や次にやっていきたいことも明確になりました。関東代表を決める決勝(栃木県宇都宮青葉学園戦、〇6-0)でも、点数をとれる場面でとれなかったところがあって、コミュニケーションが足りなくてパスをもらえないことが理由でした。シュートを打って仮に入らなかったときでも、『こうしてほしかった』ということはお互いに言うようにしています。練習中もそうなんですが、(シュートが)決まらないと選手同士で文句みたいになってしまう。そこは変えていきたいんです」

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