スペシャルオリンピックス世界大会の結団式を開催。SOサッカー日本代表の目標は「金メダル」と「全力で楽しむ」
ゲキサカ / 2019年3月11日 13時50分
知的障害のある人たちにスポーツを通じて社会参加を応援する国際組織による世界大会「スペシャルオリンピックス(SO)夏季世界大会 2019」が14日からアラブ首長国連邦の首都アブダビで開幕する。190の国、地域が参加し、24競技が行われる予定。11競技104人のSO日本代表選手が都内に集結し、結団式が行われた。
前回2015年のロスアンゼルス大会は知的障害のあるアスリートのみのメンバー編成だったサッカーは、今回から初めて知的障害のある「アスリート」と知的障害のない「パートナー」が同じチームでプレーする7人制の「ユニファイドサッカー」に挑む。ピッチには必ず4人以上のアスリートがいることがルール。前回大会では出場32か国中4位だったSO日本代表は、2018年の日本代表選考会で優勝したSO長野の選手を軸に、アスリート6人、パートナー6人が選ばれた。
SO京都を指導してきた西野累コーチがヘッドコーチとして指揮をとる。今回のチームの大半を占めるSO長野の選手を指導し、この大会のピッチを離れた部分の総務的な役割を担う長野SOの春原紀子コーチは「(目標として)勝つことはベースにあります。金メダルをとりたい。その上で、せっかくの機会ですから全力で楽しんできたいです。2017年に世界最大のユースカップ・ゴシアカップでスウェーデンに行ったとき、たとえばイタリア伝統の『カテナチオ』とか、本当にその国ごとのサッカーが存在した。そういうことも見て、日本のサッカーとの違いとか、いいところは取り入れたりとかしてほしいです」
SO日本代表はパートナーの井上敬之が正GKのため、ピッチ上では4人のアスリートと2人のパートナーがいかに工夫しながらコミュニケーションをとるかが勝敗のカギを握る。昨年12月から計5度集まって行われた合宿では、パス練習ひとつをとってもアスリートとパートナーが組んでパス交換し、部屋も一緒にして、お互いを深く理解しあえる関係づくりをしてきた。
「選手たちには、アスリートを最優先にしてそのために僕たち(パートナーがいる)という発想はやめてほしいと話をしました。アスリートを勝たせたいではなく、自分が勝ちたいと思ってやってほしい、と。チームを勝たせるためにどう動くか、ということをみんなで考えて欲しいんです」(春原コーチ)
日本代表・春原紀子コーチ(左)と丸山祥太主将
指示通りに動いてもらえない場合、どういう指示の出し方をすれば、動いてもらえるか。そこにアスリートとパートナーを分ける、という発想は存在しない。仮にメンバーの能力に違いがあったとしても、「勝つ」という同じ目標に向かってお互いに要求し、工夫してチームで目標を実現させようと努力するプロセスは、サッカーにとどまらず、社会に出ても同じだ。
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