JFA審判副委員長が乱発した“疑惑の判定”を解説、複数で誤審を認める
ゲキサカ / 2019年5月8日 14時24分
ゴールデンウィーク中に行われたJ1リーグ第10節の数試合で疑惑の判定があった。日本サッカー協会審判委員会のレイモンド・オリバー副委員長が、「DAZN」が配信しているJリーグが制作する番組「Jリーグジャッジリプレイ」で問題の場面について解説している。
番組内では5つのシーンが取り上げられている。鹿島アントラーズ戦で前半3分にあった清水エスパルスのMF中村慶太が蹴ったFKや、横浜F・マリノス戦の後半アディショナルタイムにMF川辺駿が合わせたヘディングシュートが、いずれもGKにライン上でかき出され、ノーゴールと判定されたが、VTRで確認すると、ゴールラインを割っているかのようにみえた。
これについて、オリバー氏も「2つともゴールだったと思う」と素直に誤審を認める。そして、「ただ副審はオフサイドラインを判定しなければいけなかったので、ポジショニングは正しかった。仮にゴールライン上にいてもGKの体でボールを遮っていたと思う。この場合、ゴールラインテクノロジー(GLT)やVARが導入されていれば、見直された事例だと思う」と見解を示した。
ただし「GLTは非常に高価なもの」と費用対効果に疑問を呈すと、「VARの方がより多くの選択肢を増やしてくれると思う」と話すも、「今すぐにすべての試合にVARを導入するには人数が不足している。それとVARが誕生してまだ3年だということを忘れないでほしい。VARなしでサッカーはずっとやってきたんだから」と話した。
その他、ベガルタ仙台戦の前半37分に決まったMF長谷川竜也のゴールについても、オフサイドではないかと物議を醸したが、これについてもオリバー氏は、「このレベルの試合をさばく審判としては旗を上げてほしい」と苦言を呈し、誤審であったことを認めている。VARについては、ルヴァンカップのノックアウトステージからの13試合とJ1昇格プレーオフで導入が決まっている。
しかし、湘南ベルマーレ戦で名古屋グランパスのMFジョアン・シミッチが前半44分にエリア内で犯したファウルについては判定の妥当性を主張。ただし同試合の後半5分にあった名古屋の決定機でシミッチへのファウルに対するアドバンテージが適用されるべきだったという声には賛同し、さらにプレーを止めるのであれば決定機阻止でファウルしたDF坂圭祐がレッドカードで退場する事案であったと説明した。
オリバー氏は「審判の心理面を言うと、メンタルタフネスが重要になる。主審にはユニフォームを着てピッチに入るだけでメンタルの強さが求められる。笛を吹くことで、ピッチにいる半分の選手を怒らせちゃうことになるんだから」と審判業の難しさを説いていた。
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