44日間でアフリカ1万km縦断…ジンバブエの男性、母国の試合は間に合わず
ゲキサカ / 2019年7月19日 10時58分
アフリカネイションズカップを現地観戦するため、南アフリカ・ケープタウンからエジプト・カイロまでアフリカ大陸を縦断したジンバブエ人の男性(32)が話題を集めている。当初計画していた旅程は難航を極め、愛する母国の試合には間に合わなかったが、アフリカサッカー連盟(CAF)から決勝戦のチケットを贈られたようだ。
旅の主役はジンバブエ出身の看護師アルビン・ザカタさん。5月27日に南アフリカを出発し、ジンバブエ、ザンビア、タンザニア、ケニア、エチオピア、スーダン、エジプトの8か国を44日間で旅した。移動距離は約1万km。6月21日に行われた開幕戦、予選敗退となったジンバブエの試合には間に合わなかったが、無事開催地に辿り着いたという。
しかし、道中はトラブルの連続だった。当初は南アフリカ在住の友人ムシラさんと同行していたが、彼はケニアとエチオピアの国境でビザを取得できずに脱落。ザカタさんはシステム停止に苦しみながらもオンラインビザの申請を試みた一方、ムシラさんはそのまま母国の放送局から受け取った航空チケットを使い、先に飛行機で行ってしまった。
また軍事的な混乱が続くスーダンでは、警察に一時拘留されるというトラブルもあった。国内ではソーシャルメディアが禁じられていることで、ザカタさんの更新が止まり、フォロワーからは心配の声も上がった。タンザニアでは英語がほとんど通じず、教育が行き届いていないことも実感したそうだ。
「アフリカはアフリカ人にとって決してフレンドリーではない」。イギリス『BBC』のインタビューに対し、この旅を振り返ったザカタさん。「アフリカ諸国のビザ代金の中には、ヨーロッパよりも高いものがある。また待ち時間も長すぎる」と指摘し、「国境のないアフリカが必要だと思っている」と縦断者ならではの提言も行った。
それでも現地の人々とビールを飲み交わしたり、ソーシャルメディアで彼を知った者からの歓迎を受けるなど、幸せな経験もあった。「もしあなたが何かに情熱を持っているなら、それを求めるべきだ。得られるまで追い求めなさい」。そう呼びかけるザカタさんにはCAFのアフマド・アフマド会長から思わぬプレゼント。セネガル対アルジェリアの決勝戦のチケットと、帰りの航空券が贈られたようだ。
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