「全国大会で一番悪い試合内容」から一転。京都橘が3発快勝で過去最高タイのベスト8へ
ゲキサカ / 2019年7月28日 22時3分
[7.28 総体3回戦 京都橘高 3-0 名経大高蔵高 南城市陸上競技場]
令和元年度全国高校総体(インターハイ)「感動は無限大 南部九州総体2019」サッカー競技(男子)の3回戦が28日に行われ、京都橘高(京都)と名経大高蔵高(愛知)が対戦。京都橘がFW梅村脩斗(3年)のハットトリックによって3-0で勝利した。
京都橘にとって初戦となった2回戦の専大北上高(岩手)戦は、先制しながらも前半のうちに追いつかれて1-1(PK4-1)での勝利。「初戦の緊張があったとしても内容が戦えていなかった。これまでに出た全国大会で一番内容が悪かった」(米澤一成監督)ため、ハーフタイムと宿舎に帰ってから指揮官の雷が落ちた。
迎えた3回戦では「昨日はまったくできなかったのでボールを持ちたかった」(米澤監督)とMF佐藤陽太(3年)と志知遼大(3年)のダブルボランチを中心にテンポよくボールを回した。
加えて、近い距離でパスを繋ぐ名経大高蔵の攻撃を高い位置で潰し、奪ってからは空いたスペースに素早く攻め込むことがチームとしての狙い。前半13分には中盤でボールを奪った佐藤が前線にクサビのパスを入れると、FW梅村脩斗(3年)がスムーズなターンから豪快な一撃を叩き込み、京都橘が均衡を崩した。
良い流れは先制点以降も続き、16分には佐藤が「僕らの良さはパスを繋ぐ部分」と胸を張るコンビネーションから左に展開し、MF高木大輝(3年)がシュート。19分にはPA左でFKを相手に与えたが、カウンターから「橘で一番速い」(佐藤)というMF湊麟太郎(3年)が快足を活かして、右サイドを独走。CK付近からゴール前に入れたボールを梅村が合わせて、2点差とした。以降は梅村とFW梅津倖風(3年)の2トップを上手く使って、相手エリアで試合を進めた。
橘の勢いに飲まれる形となった名経大高蔵は、キーマンであるMF岩松虎徹(2年)が自陣で持ち前のドリブルを奪われる場面が目立ち、攻撃はFW辻聖羽(3年)の飛び出しに頼るしかなかった。ただ、後半に入ってからは後方でのボール回しが増え、岩松が高い位置に出る場面が増加。7分には岩松を起点としたパス回しから、DF中村由成(2年)がPA内に出たが、ラストは京都橘のDFに阻まれた。
後半の京都橘は逃げ切りを図りつつも、相手の隙を見つけてはダメ押しとなる3点目を狙った。27分には左クロスを佐藤がヘディングでゴール前に落とすと、こぼれ球に反応した梅村が倒され、PKを獲得。キッカーに名乗り挙げた梅村が冷静なキックでハットトリックを達成し、3-0で試合終了を迎えた。
不出来な前日を払拭するゲーム内容だったが、まだ2017年度に記録したベスト8で並んだだけに過ぎない。米澤監督は「いつも自己ベストの更新を目標にしている。夏はベスト8が最高成績なので、ベスト4には行きたい。次の一戦に賭けます」と口にする。「一昨年の代の成績は目標としていた。次はそこの記録を超えたい。今日勝ったからと言って気を抜いたら昨日のような試合になるので、引き続き気を引き締めて頑張りたい」。そう話すのは佐藤で、準々決勝でも白星を手にし、チームの歴史に名を刻むつもりだ。
(取材・文 森田将義)●【特設】高校総体2019
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