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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:遥かなる頂へと(松本山雅FC U-18)

ゲキサカ / 2019年8月15日 16時5分

『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:遥かなる頂へと(松本山雅FC U-18)

東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントや国内外サッカーのトピックなどを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」

 この夏が終われば、緑の友と一緒に過ごす時間にもハッキリと別れの気配が忍び寄る。入道雲が泳ぐ群馬の青空の下、風に揺られながらチームメイトを見つめていた22番のユニフォームも、もう持ち主の元へと戻っているはずだ。「かわいいっちゃあかわいいよ。でも、裏切られることが多いからさ(笑)」。今年から就任した指揮官は、子供でもおかしくないような年齢の選手たちに厳しくも優しい眼差しを向けつつ、自身に対してもベクトルを突き付ける。「彼らが次の世代を担っていく訳だから、僕自身が指導者としても人間としてもどんどんアップデートしないといけないし、それを彼らに伝えていけるように僕も努力して、彼らもそれに応えるように努力していくことが、クラブの成長に繋がるかなと思います」。信州は松本。西ヶ谷隆之と彼の指導を仰ぐ高校生たちは、『遥かなる頂』へと辿り着くべく、日々の“奮闘”の中にいる。

 7月21日。クラブユース選手権のグループステージ初戦。2年ぶりに夏の全国へと乗り込んできた松本山雅FC U-18は、高円宮杯プレミアリーグEASTに所属する浦和レッズユースと対峙。押され気味の展開の中、「県外とかも考えたんですけど、オファーをもらったので『地元のJクラブだし、入ってみよう』と思って決めました」と中学進学時から山雅のユニフォームに袖を通したGKの神田渉馬を中心に、粘り強い守備を披露。スコアレスドローで勝ち点1を獲得する。

 過去3度の出場で積み重ねた結果は、1分け8敗と2得点49失点。2016年大会でサガン鳥栖U-18相手に、アカデミー出身者として初めてトップチームでプレーした小松蓮が2ゴールを奪い、引き分けに持ち込んだ試合の勝ち点と得点が数字上では唯一の成果だったが、7月のJFAナショナルGKキャンプにも招集された神田は、浦和との初戦に向けたチームの結束をこう明かす。「グループを突破するために1試合1試合が大事だから、『まずは初戦に絶対勝とう』と言って来ました」。

 千葉から単身で松本の地へ居場所を求めてきた中村海斗にとって、この日のピッチは待ち焦がれた舞台だった。「プレミアとか上のステージでプレーしている選手を日頃から見ていて、そういうヤツらに負けたくない想いはずっと持っていたので、今日はやる前から楽しみでした」。それでも最優先はチームの結果。「本当はボールを動かして持ちたいですけど、そんな綺麗さにこだわることなく、勝つことにこだわりました」。神田も中村も、そしてチームメイトも、真剣に勝利を目指した上での勝ち点1に物足りなさを覚えている様子がありありと窺えた。

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