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[MOM639]桐蔭横浜大FW下村司(4年)_名門市船で将来を嘱望された逸材

ゲキサカ / 2019年9月25日 20時5分

桐蔭横浜大のFW下村司

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.21 関東大学L1部第13節 桐蔭横浜大1-1立正大 県立保土ヶ谷公園サッカー場]

 桐蔭横浜大のFW下村司(4年=市立船橋高)が今季4点目を決めた。前半19分、右サイドから出たパスをエリア内で受けると、ファーストタッチで縦に抜け出す。勢いのままに右足を振り抜いて、ゴールネットを揺らした。チームは後半8分に同点弾を浴びたが、「勝てなかったのは悔しいけど、勝ち点1を獲れたのはチームとしてはプラスかなと思います」と2位・3位決戦のドローを前向きに捉えた。

 エリート街道をまっしぐらに進んでいた。男2人、女3人の5人兄弟の4番目として育った司少年は、地元トレセンでコーチを務める父の影響で3歳からサッカーを始めた。そして兄と同じ東京ヴェルディの下部組織に入団。ジュニアユースまでを過ごし、高校サッカーへの憧れから強豪・市立船橋高の門を叩いた。

 入学時から実力は抜きん出ており、後に高卒でJリーガーとなるMF椎橋慧也(仙台)やFW永藤歩(JFL岡崎)ら同期の実力者を差し置いて、一年生で唯一、同年夏のインターハイでメンバー入り。2学年上のMF磐瀬剛(群馬)やMF柴戸海(浦和)らとともに全国制覇を経験した。下村自身も初戦の水戸啓明高戦で唯一の得点となる決勝点を決めている。
背番号15の下村は一年生でインターハイ優勝を経験した。(写真協力『高校サッカー年鑑』)
 市船の背番号15には“暗黙のルール”がある。下級生の中でも最も期待の高い選手に与えられる番号で、翌年の10番を背負うであろう選手がつけるとされる。下村にはその番号が一年生の時点で与えられた。「下村が将来の10番」。その時点で疑う者は誰一人としていなかった。

 しかし将来を嘱望されていたはずの下村がその後、10番をつけることはなかった。有望選手が次から次に入学してくる市船にあって、同じ実力であれば下級生が優先して使われる。1学年下に東京五輪代表候補のDF杉岡大暉(湘南)、MF原輝綺(鳥栖)ら錚々たる選手がいたこともあり、下村の影は徐々に薄くなっていった。

 下村自身は1年生から活躍できたことによる“自惚れ”があったのではないかと振り返る。高校時代は中盤を主戦場としていた下村。高校時代の恩師である朝岡隆蔵氏(現千葉U-18監督)には常に守備意識を高めるように言われていたが、当時は聞く耳を持っていなかった。「自分では気づかなかったけど、監督には天狗になっているのが見えていたんだと思います」。3年時の最後の大会である高校選手権では10番を託されるどころか、30人の登録メンバーにも入ることはなかった。

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