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初戦欠場から覚悟の強行出場も…東福岡DF段上主将は涙の途中交代「何もできず悔しかった」

ゲキサカ / 2022年1月1日 6時50分

DF段上直樹主将(3年)

[12.31 選手権2回戦 東福岡高 0-4 大津高 熊谷陸]

 部員250人を超える東福岡高を束ねてきたDF段上直樹主将(3年)の高校サッカー生活は、涙で幕を閉じた。「自分が試合に出て負けるわけにいかなかったけど、こういう結果になってしまって悔しい」。大津高とのライバル対決に強行出場するも無念の途中交代。最後は同じ境遇に苦しんだ仲間に付き添われながら、涙ながらにピッチを後にした。

 段上は11月中旬に行われた選手権福岡県予選決勝で、右足首の内側・外側靭帯をそれぞれ損傷。それ以降、プレミアリーグWESTの終盤戦や練習試合に出場することは叶わず、全国大会のメンバー入りこそ果たしたものの、コンディションを見ながら慎重に調整を続けてきた。12月29日の1回戦・秋田商高戦(○1-0)にも間に合わず、ベンチメンバー外。運営補助を務めながら戦況を見つめていた。

 それでも31日に行われた2回戦・大津高戦、段上の名がスターティングメンバーに並んでいた。「1試合目はメンバー外となったけど、みんながつないでくれると信じていたし、みんなもずっと声をかけてくれていた。次の大津戦では絶対に出場して、みんなのために戦うと決めていた」。決意を込めての強行出場だった。

 ぶっつけ本番での強行出場ということもあり、コンディションには不安が残っていた。試合後には「絶対に昔の状況でプレーできているとは思っていなかった」とも明かした。ただ、ピッチでどう振る舞うかのイメージはしっかりとできていた。

「ずっとプレミアリーグの試合も近くで見ていたので、自分としてはプレースピードという面で思っていたより差はなかった。その中でもできるという自信はあったし、3年間やってきた努力を出せれば通用すると思っていた。そんなに心配していなかった」。自らの積み重ねを信じ、3バックの中央に入った。

 ところがこの日の東福岡は厳しい展開が続いた。前半10分にハイボールのこぼれ球を拾われて失点すると、同20分過ぎからの猛攻は相手守備陣に阻まれ、なかなか優位に試合を進められない。そして後半8分、相手のアタッカーに段上が振り切られる形で失点。すると同14分、交代が告げられた。

 ピッチを去る段上はベンチコートに顔を包み、涙をこらえきれない様子だった。そのわけは脇に付き添っていたMF吉岡優希(3年)の存在があったという。

 吉岡も段上と同じく県予選決勝のピッチで負傷。ただ、怪我の程度から選手権のメンバー入りすらも叶わなかった。森重潤也監督によると「チームに貢献してきた3年生の気持ちを他の選手が背負いながらしっかりと闘ってくれ」というメッセージが、今大会の東福岡において一つのテーマになっていたという。

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