[プレミアリーグWEST]復帰戦でゴール含めて攻守に存在感。静岡学園CB大村海心は11日の選手権予選決勝へ「準備はできています」
ゲキサカ / 2023年11月9日 10時40分
[11.8 高円宮杯プレミアリーグWEST第13節 横浜FCユース 2-1 静岡学園高 横浜FC
・LEOCトレーニングセンター]
「準備はできています」。静岡学園高は右足内転筋の怪我で2か月間離脱していたCB大村海心(3年=大阪東淀川FC出身)が、8日のプレミアリーグWEST・横浜FCユース戦で待望の復帰。フル出場し、ゴールも決めた。
この日、静岡学園は11日に選手権静岡県予選決勝の藤枝東高戦を控えているため、3日前の同準決勝から先発10人を変更。ただし、「ここで良かったらレギュラーを取れる」という川口修監督の言葉もあって、各選手が発奮した。立ち上がりは先発経験の少ない選手たちが後手となり、31分までに2失点。だが、その後は静岡学園らしくテクニックで勝負し、ドリブル、パスでチャレンジし続けた。
中でも一際存在感のある動きを見せていたのが大村だ。崩れかけたチームを踏みとどまらせていたのは彼や東京V内定GK中村圭佑主将(3年)の存在が大きい。
大村は元々ボランチで今季、守りの要へ成長。的確なカバーリングや前へ出ての潰し、ゴール前での競り合いなど横浜FCユースの攻撃を良く食い止めていた。
加えて、相手を見ながら落ち着いたビルドアップ。CBのポジションで攻撃をコントロールしていた。ドリブルでボールを運び、縦パスを差し込み、相手の背後を狙うボールも。そして後半8分には復活ゴールを決めた。
MF岡元和士(3年)の左足FKがクロスバーを叩く。このこぼれ球を右足でゴールへ押し込んだ。「セットプレーでも1点行きたいなと話していて、絶対に自分が決めてやるという気持ちがあったので、点を決めたことは良かったと思っています」。チームはその後もボールを保持して攻め続けたが、1-2で敗れた。
本人は敗れたこと、また失点に繋がりかけたミスがあったことを悔しがる。それでも、「ここで絶対にアピールして決勝に出たいという気持ちがあったので、自分の中ではできたかなと思っています」と頷いた。川口修監督は今季リーグ戦4得点と得点力も高い大村の復活を喜ぶ。強敵との一戦で復調をアピールしたDFは、決勝でも出場チャンスが十分にありそうだ。
大村は選手権予選決勝での復帰を目指して調整してきた。チームは大村に加え、川崎F内定のエースFW神田奏真(3年)や中盤の要であるMF福地瑠伊(3年)が長期離脱していることもあって苦しい状況。プレミアリーグWESTの成績は8勝2分1敗だった前期から後期は2勝2分4敗と成績を大きく落としている。だが、その間に新戦力が台頭するなど奮闘。不安視された選手権予選でも決勝まで勝ち上がった。
大村は「奏真とかけが人がいて厳しい状況だったんですけれども、新しい選手が頑張って、全然、プレミアでもやっていけている。選手権でも勝ち上がっているので、絶対に決勝行くという感じは見ていてありました」。CBのポジションも井口晴斗(3年)や水野朔(3年)が健闘。復帰した大村は出番を得られれば、カウンターのケアや攻撃のリズム、チャンスを作ることなど少しでもチームのプラスになる意気込みだ。
「(決勝では)途中から出たとしても流れを良くして、セットプレーで点にも絡んでいったり、後ろで出たら絶対に点はやらせないというところをやれたら良いと思っています」。決勝を目指して準備してきた守りの要が、必ず優勝をもたらす。
(取材・文 吉田太郎)
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