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[選手権]帝京三が8年ぶり選手権へ!「失点は2まではいい」覚悟の上で攻撃力発揮、日本航空の“空中戦”2発浴びるも延長戦を制す:山梨

ゲキサカ / 2023年11月11日 19時30分

 1点を返したい日本航空は、後半34分に得意の形からゴールを奪う。畔柳が右CKを蹴ると、混戦から一度マイナス方向に戻す。小町がダイレクトで再び敵陣PA内に入れると、またしても混戦。PA右から畔柳が中央に折り返し、ボールを収めた加藤諒がトラップから右足シュートをゴールに突き刺した。

 勢いを取り戻した日本航空のセットプレー攻撃は再び帝京三を襲う。後半38分、畔柳が右CKを蹴ると、PA中央の長谷川が豪快なヘディングシュートを叩き込む。2点ビハインドから2-2と試合を振り出しに戻した。

 2-2のまま試合は延長戦に突入する。延長前半はスコアが動かず。後半に折り返すと、延長後半2分に決勝ゴールが決まる。帝京三は自陣でボールを奪い、すばやくカウンターへ。中盤で受けた嶋野がPA左に入ると、カットインから右足を振り抜く。ゴールニアサイドを打ち抜き、勝ち越しゴールを挙げた。

 再びリードした帝京三は今度こそ点差を守り抜く。3-2で試合を締め切り、8大会ぶりの県制覇を成し遂げた。

 帝京三の相良和弘監督は試合後、心の中では2失点を覚悟していたことを明かす。「年間を見ていて失点が多かったので、それをゼロにするのは厳しいかなと」。だが、代わりに今年の帝京三は強力な攻撃力を誇る。「失点は2まではいいと。それで、彼らの今年の特徴の攻撃力で3は取る」と点の取り合いは想定内だったという。

 とはいえ、追いつかれたら勢いは相手に傾く。「まあ嫌な雰囲気ですよ」と相良監督も苦笑しながら振り返る。相手の得意パターンからの2失点は気にせず、「その後で沈まないように」と選手たちを奮い立たせた。「継続してもうやるしかないので。延長まで行ったので、それはもう勇気を持ってやれと」。昨年の選手権県予選決勝、今年の総体県予選決勝の2度味わった準優勝の悔しさを糧に、最後の意地を貫き通した。

 日本航空は3大会ぶりの決勝進出で、5大会ぶりの選手権出場は逃した。今年2月に安部一雄監督が就任。2018年に山梨学院高を率いて総体を制覇した指揮官は一年での復権を目指したが、「あれがうちのチームの精一杯。よく最後までがんばってくれたけれども、相手のほうがすべてにおいて上だった」と負けを認める。その上で選手たちの奮闘を称賛。「最後まであきらめずに、あそこで同点に追いついたことは彼らの成長」と語った。

 就任当初、安部監督が感じたのはチームの迷いだった。「そんなに悪い印象はなかったけど、やっていることが目的から外れていた。そこを改善した」。ハードワークで堅い守備と早い攻撃を安定させ、相手のサイドを割って得たCKやFK、ロングスローといったセットプレーで持ち前の高さを生かす。ひとつのスタイルを築いて決勝に駒を進めたことには「よくここまで来たという感じ」と手応えを語った。

 日本航空は3年生が主体のため、来シーズンから再びチームを作り直す。それでも「3年生ががんばってくれたので」(安部監督)。指揮官は、先輩の悔しい背中を目の当たりにした下級生たちに期待を寄せる。「なんとか上に行けるようにがんばります」と来年の奮起を誓っていた。

(取材・文 石川祐介)●第102回全国高校サッカー選手権特集

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