FC東京20歳FW野澤零温「もがいてもがいて」J1初ゴール!! 出会いは中学時代“同期”松木玖生の飛躍に刺激「悔しいと思えているのはポジティブ」
ゲキサカ / 2024年7月14日 6時30分
[7.13 J1第23節 FC東京 2-0 新潟 国立]
国立競技場に57885人の大観衆が詰めかけた特別な一戦、FC東京の勝利を決定づけるゴールを決めたのは、中学時代からクラブ在籍9年目を数える20歳の若きアタッカーFW野澤零温だった。
「今までチャンスがありながらも取れないことが多く、自分の中でもがいてもがいて、苦しい状況が続いていた中で決めることができて吹っ切れた。すごく嬉しかったし、高揚感があった」。J1通算7試合目での初ゴール。途中出場が多かったことを考えれば、決して遅すぎるものではなかったが、大きな期待を背負うがゆえの重圧の先に歓喜の瞬間は待っていた。
新潟をホームに迎えた国立決戦、出番が巡ってきたのは1-0で迎えた後半26分だった。J1リーグ戦では5月6日の札幌戦以来2か月越しの出場機会。3日前の天皇杯・千葉戦(●1-2)では後半23分から出場するも、延長戦も含めて結果を出せないまま無念の敗退に終わっており、大きな覚悟を持ってピッチに立った。
「チャンスがあったのに決め切ることができず、ずっと同じだなと。今までの自分とまた同じだなと思っていた。試合後にいろんな言葉をもらって、本当にこのままじゃいけないなと思った。それはチームとしても個人としても。でも、一つ取れれば絶対に変わると信じて、今までもトレーニングと試合を重ねてきた」
狙っていたのはゴールという結果のみ。その瞬間は投入から7分後、最初のシュートチャンスで訪れた。
後半33分、この日が国内ラストマッチとなったMF松木玖生が自陣右サイドでボールをキープし、DF白井康介の縦パスを促すと、MF安斎颯馬がフリックしたボールにMF小泉慶が反応。そのまま小泉が右サイドを攻め上がったのに合わせ、反対サイドで野澤がスプリントをかけていた。
「小泉選手からボールが来るのは目が合ってわかっていた」(野澤)。その狙いどおり、小泉からのグラウンダークロスはファーサイドの野澤にピタリ。あまりのフリーっぷりに選択肢が多く、時に難しい判断をしがちな状況ではあったが、「すごく緊張したけど気持ちで」振り抜いた右足シュートをニアポスト脇に突き刺した。
ゴールが決まった直後、野澤は真っ先にゴール裏サポーターのもとへ向かった。「涙が出そうになったけど、あまり泣きすぎると泣き虫みたいになってしまうので……」。涙をこらえ、満面の笑みでゴールセレブレーションを披露。中学年代のFC東京U-15深川でクラブの門を叩き、U-18時代にはFC東京U-23でJ3デビューを果たし、プロ入り後は2度の期限付き移籍も経験した歩みを知る人々への感謝の思いをぶつけた。
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