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緊急J1デビューで町田の猛攻阻んだ札幌27歳GK児玉潤「諦めずにやり続けることが大事」3年前は“6部所属”の苦労人

ゲキサカ / 2024年9月22日 6時10分

J1デビューのGK児玉潤

[9.21 J1第31節 町田 0-0 札幌 Gスタ]

 首位の相手に押されながらも0-0で耐えていた後半42分、出番は突然に訪れた。「率直に来たか、と」。社会人キャリアの大半をアマチュア選手として過ごし、3年前は広島県1部(実質6部)でプレーしていた“苦労人”の北海道コンサドーレ札幌GK児玉潤がこの日、堂々とJ1デビューのピッチに立ち、安定したパフォーマンスで勝ち点1をもぎ取った。

 東京Vユース、桐蔭横浜大出身で27歳の児玉は今年3月、すでにシーズンが始まっていた中でJ3のY.S.C.C.横浜から札幌に加入。GK高木駿の大ケガを受けての緊急加入だった。J3リーグ屈指のビルドアップ能力を買われ、札幌のスタイルに合致するという評価での大抜擢。ここまでは天皇杯とルヴァン杯のみの出場にとどまり、J1リーグ戦の出場機会はなかったが、日々の努力を怠ることはなかった。

 この日は終盤にGK菅野孝憲がポストに当たって負傷し、緊急でのチャンスが到来した形。それでも日々の準備を続けていたからこそ動揺はなかった。「残り時間少ない中、スクランブルでの出場でやることは明確だった。シンプルにノーリスクでプレーし、いい内容でゲームが続いていたので自分が出てゼロで終われるようにと意識した」。積極的に前へ出るスタイルでもおなじみだが、まずは堅実なプレーで試合に入った。

 首位のFC町田ゼルビアは試合終盤、勝ち越しを狙ってクロス攻勢やロングスローを使ったパワープレーを展開してきたが、児玉は「DFとコミュニケーションを取って、自分がプレーする時と味方に任せる時をはっきりするように意識していた」という的確な判断を徹底。また「パンチングで逃げてもスローインになってロングスローで二次攻撃となるので、キャッチできるボールはマイボールにしたいとずっと思っていた」というキャッチングも光った。

 その結果、相手のヘディングシュートがポストに弾かれるという幸運にも助けられ、クリーンシートのまま試合終了。9分間の表示ながら13分間近く取られたアディショナルタイムにも「実はアディショナルタイムが何分かわからないままプレーしていた。時間を気にせず目の前のことに集中していた」と揺らぐことなく、勝ち点1をもたらした。

 児玉にとっては社会人キャリア5年目でのJ1デビュー。JFLの横河武蔵野シティFC時代には給食センター、広島県1部〜中国リーグの福山シティFC時代はレストランや不動産会社での勤務を経験し、J3のYS横浜でもアマチュア契約のため別の仕事をしながらサッカーに取り組んできた過去を持つ27歳が悲願のステージにようやく立った。

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