[MOM4843]広島県GK山田真叶(広島ユース、1年)_転向のきっかけはじゃんけんでの負け。勝負強い守護神がPK戦で3本をストップ
ゲキサカ / 2024年9月24日 14時53分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.23 国スポ少年男子準々決勝 広島県 1-1(PK3-1) 埼玉県 北部グラウンドA]
自身の出来が勝敗に反映されるPK戦は緊張感が張り詰めるものだが、広島県のGK山田真叶(広島ユース、1年)はプレッシャーすらも楽しんでいるかのように見えた。
「勝負強い。去夏のクラブユースもPKで勝っている。本当に独特な空気を持っている。追い込まれる状況が好きというか、PK戦になった時も笑ってベンチに戻って『俺がヒーローになるんだ』という顔をしていた」。そう評するのは広島ジュニアユースから指導に携わってきた遠藤真仁監督(広島ユース)で、舞台が国スポに移っても強心臓ぶりは変わらない。この日は埼玉県のキックを3本止めて、準決勝進出の立役者となった。
PK戦では合格点以上のプレーを披露したが、試合中のプレーには満足していない。「試合の入りから自分のプレーがあまり上手くいっていなかった。味方も昨日の試合より上手くいっていなくて、選手同士の距離が遠かった。チームスタイルは全員が連動してボールを奪いに行くのですが、FWが前から行っても続かないので上手くハマっていなかった。どうすべきか自分の中で考えていた」。
開始2分に出鼻をくじかれる形で先制点を与えてしまったが、以降は絶やすことなく味方へのコーチングを続けた。「身長が低いので、ハイボールやキャッチングなど基礎的なことは上手くやっていかないと通用しない」と話す通り、シュートを打たれても自らも落ち着いた守備対応を披露し、2失点目を与えない。想定以上に相手はDFの裏に長いボールを入れてきたが、的確にカバーする姿も印象的だった。「やられたと思う所でしっかり前に出てきて、止めてくれていた」と称えるのは遠藤監督だ。
迎えたPK戦への準備も万全。国スポの練習を行なう際は必ず最後にフィールドの選手全員がPKを蹴り、山田とGK岸田湊(瀬戸内高、1年)がゴールマウスに入っていた。これまでは7本中2本中止めるのが精いっぱいだったが、「リラックスして挑めていた」と話すこの日は冷静にキッカーの特徴を細かく分析できていた。1本目と3本目のキッカーは右に跳んでストップ。「どちらに蹴るか分からなかった」という4人目も前日のPK戦を思い出して左に跳ぶことでゴールを守った。
ヒーローとなった山田がGKを始めたのはひょんなきっかけだった。元々、シーガル広島ジュニアでは小中、国スポでチームメイトのFW信重亮二朗(広島ユース、1年)と2トップを組んでいた。だが、小学5年生になった頃、GKをやりたい選手がいなかったため、選手同士でじゃんけんを実施。負けた山田がGKをやることになった。自ら望んだコンバートではなかったが、「やってみたら楽しかった」ため、そのまま本職になった。最後尾のポジションは彼にとっての天職で今なお守護神の仕事を楽しんでいる様子が、プレーから伝わってくる。頼れる男がいる限り、準決勝でも広島は大崩れしないだろう。大舞台で輝く山田は準々決勝に続く活躍を狙っている。
(取材・文 森田将義)
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