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清原ジュニアの場合は? プロ志望書の裏に3パターン「確約」「二股」「イチかバチか」(小倉清一郎)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月23日 9時26分

清原ジュニアの場合は? プロ志望書の裏に3パターン「確約」「二股」「イチかバチか」(小倉清一郎)

清原正吾(C)共同通信社

【松坂、筒香を育てた小倉清一郎 鬼の秘伝書】#208

 元プロ野球選手の清原和博さんを父に持つ慶大の清原正吾がプロ志望届を提出した。

 野球をやるのは小学生以来だが、部員が約200人の慶大で4番を張っているのは立派。ただし、プロから指名されるかは微妙だ。恐らく社会人チームから内定を得ている“二股”ではないか。有望な選手はプロ側から事前に「指名する」と言われていることが多い。最近は育成契約があるため、「イチかバチか」で志望届を出すことも増えた。

 横浜の部長時代、教え子をプロに売り込んだこともある。

 ソフトバンクで現在首位打者の近藤健介は、プロから「捕手としては身長が低い(172センチ)」と指摘されたが、松坂大輔の時代から親交があった日本ハムの山田正雄GM(現スカウト顧問)に「バットコントロールのうまさ」を推薦し、2011年4位で指名された。3年時にレギュラーから外された日本ハムの万波中正も、山田スカウト顧問と練習を見学し、「イチローのような強肩」と太鼓判を押した(18年4位)。

 元ロッテの成瀬善久は亜大進学が内定していたが、同じリーグの日大に進んだ教え子の畠山太が酷使されていた。大学野球だと壊れてしまうと判断。最終的にロッテのスカウトに頼み込んだ。03年ドラフト6巡目で指名され、07年には16勝1敗、防御率1.82でタイトルを取るエースに成長した。下位指名の場合、プロとアマの人のつながりで入団が実現するケースも少なくない。

 東京六大学などは高校生の「プロ待ち」を許してくれない。大学側から「欲しい」と打診されるのは3月のセンバツ前後だったり、早ければ2年時のケースもある。明大、法大、青学大などが早いが、意思表示も早くしないといけない。

 逆に私が「大学へ行け」と助言した中には、法大に進学した矢野英司がいる。横浜高の同期に多村仁志(横浜)、斉藤宜之(巨人)、紀田彰一(横浜)がいて、3人は高卒でプロ入り。矢野も下位なら入れたが、法大を経て1998年ドラフト2位で横浜に指名された。

 今春の大学選手権を制した青学大に進学した巨人の現スカウト・円谷英俊は、少数精鋭のチームで、思う存分自主練ができて伸びたタイプ。巨人に06年4巡目で指名された。平馬淳は高校時代にプロへ行きたがったが、突出したものがなかったため法大へ。昨年まで社会人の名門・東芝で監督を務め、社業では年収も高いと聞く。

 東京六大学や東都の大学に入学できても、試合に出られない実力とみれば、地方の大学を勧めることもある。

 現阪神の伊藤将司は「東京がいい」と言ったが、出身地の千葉・国際武道大を推薦した。伊藤は大学で結果を出してJR東日本から声が掛かり、阪神に20年2位で指名された。野球で身を立てたいなら、試合に出られそうな大学を選ぶことが重要である。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

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