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三谷幸喜さん「『12人の優しい日本人』のヒット、こういう芝居をつくればいいと実感」【その日その瞬間】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月24日 16時3分

「そうか、僕はこれからこういう芝居をつくればいいんだ!」と感じられたその瞬間が、僕のターニングポイントだったと思います。

 あれから34年、今年つくった「オデッサ」(柿澤勇人、宮澤エマ、迫田孝也出演)で同じ体験をしたんです。説明が難しいんですが、この芝居も僕にとっては初の試みで、コメディーではあるんだけど、これまでつくってきたものとつくりが全く違った。自分としてはかなりの冒険で、幕を開けるまでは正直、お客さんの反応が不安で仕方なかった。ところが、始まってみると予想をはるかに超えた反響があった。毎回、客席が新しい形の芝居を見た興奮に包まれているのがわかったんです。

 その時に「この感覚は12人の優しい日本人と同じだ。僕はあの瞬間にもう一度立ち会っているんだ」と感じました。そういう意味でも、34年前は大きなターニングポイントでした。

長澤まさみ主演「スオミの話をしよう」は舞台と映画のいいとこ取り

 ──新作映画「スオミの話をしよう」も、ひとつのシチュエーションのシーンが続くお芝居のようなつくりでもありますね。

三谷 僕がずっとつくってきた舞台と映画のいいとこ取りみたいな形になった気がします。台詞が多い台詞劇で演劇的なのに、細かいディテールにかなりこだわったので、映像は映画的に仕上がって、面白くなったと思いますよ。

 スオミ(長澤まさみ)と結婚してきた5人の男がスオミを捜すために集まり、それぞれスオミのことを語るけど、みんなスオミ像が違う。5人の人格を長澤さんが演じ分けるところが見どころなんですが、長澤さんいわく「これはスオミがいなくなった後の男たちの物語。面白いのは、男たちが右往左往するところ」だと。まあ、そのどちらもが見どころですね。

 ──「スオミの話をしよう」や大河ドラマなど創作秘話を語った「三谷幸喜 創作の謎」も刊行。来年2月は劇団の公演。相変わらず忙しいですね。

三谷 僕はあまり自作について語らないのですが、本では10年余りの作品やこの先の仕事についても話してます。これからも当然新しいスタイルに挑戦したい。喜劇のスタイルはひとつじゃないし。模索は続きます。

(聞き手=松野大介)

▽三谷幸喜(みたに・こうき) 1961年7月、東京都出身。脚本家として「古畑任三郎」シリーズや大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、監督作品に「ラヂオの時間」など多数。新作「スオミの話をしよう」全国公開中。新刊「三谷幸喜 創作の謎」(三谷幸喜×松野大介/講談社)発売中。

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