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阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月25日 11時27分

阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

阿部監督(C)日刊ゲンダイ

 優勝マジックを4とした巨人の4年ぶりのリーグ優勝が近づいている。

 昨年まで3年連続V逸、2年連続4位に沈んだ原監督からバトンを受けた阿部慎之助監督(45)が就任早々、真っ先にメスを入れたのが投手陣だ。

 昨季のチーム防御率は3.39でリーグ5位、リリーフ陣は3.91で12球団ワーストと投壊が深刻だった。さる巨人OBがこう言う。

「原前監督時代は必要とあれば、春先から中4日や中5日で先発投手を起用することもあった。リリーフ投手の3連投も当たり前でしたが、阿部監督はどちらも禁止。中継ぎ陣のローテーション制を提案するなど、とにかく勝負の9月に投手陣がガス欠を起こさないように細心の注意を払った。24日現在、チーム防御率は2.49。先発2.58、リリーフ2.30でいずれもリーグ2位と劇的に良化したことが、首位でマジック4まできた要因でしょう」

 そんな投手陣を技術面で支えた陰の功労者がいる。主にファームに駐在し、その指導が「魔改造」と称される久保康生巡回投手コーチ(66)である。前出のOBが続ける。

「巨人とは縁もゆかりもなかった久保コーチは、同学年で親交のあった原前監督とのつながりで2022年オフに招聘された。近鉄、阪神、ソフトバンクで一、二軍の投手コーチを歴任。近鉄時代には岩隈や大塚を一本立ちさせ、阪神時代にはメッセンジャーや青柳ら、助っ人を含め多くの好投手を育成してきた名伯楽です。投手のメカニックに明るく、若手の育成に定評がある。昨季4勝に終わった菅野とは昨年からフォーム改造に着手。軸足の使い方や体重移動などを見直し、腕をタテ振りに修正したことで今季14勝と劇的な復活を遂げた。抑えの大勢は昨年から故障でファームに落ちるたび、エースの戸郷も投手練習でジャイアンツ球場を訪れるたびに久保コーチをつかまえてフォームを確認しています。菅野も戸郷も大勢も久保コーチに絶大な信頼を置き『久保教』の信者と言ってもいいくらいです」

 巨人は二軍もイースタン・リーグ2位と好成績。若手投手にはさらにシンパが多い。

「今季ローテに定着して飛躍した左腕の井上は、二軍スタートだったキャンプで久保コーチに付きっきりで指導してもらった『久保チルドレン』。捕手方向に正対しないように壁をつくり、右肩の開きを抑える新フォームに修正すると、今季は一軍に抜てきされて8勝。貴重な先発左腕として貢献している。左腕といえば、190センチの横川の独特なフォームも球威を上げるために久保コーチとつくり上げた。今季は2勝だが、若手有望株です」(ファーム関係者)

 仕事人の貢献度は大きいようだ。

  ◇  ◇  ◇

 優勝目前の巨人だが、CSに大きな懸念材料がある。原前監督もビビり散らしていた「巨人キラー」の阪神投手が復帰したのだ。ナインにも苦手意識が根付いていることはデータを見ても明らか。いったいどういうことか。

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