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高身長は「がん」のリスクが高い…身長と病気の関係がわかってきた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月27日 9時26分

高身長は「がん」のリスクが高い…身長と病気の関係がわかってきた

身長と病気には関係が(C)日刊ゲンダイ

 身長と病気との関係が改めてわかった。

 中国・復旦大学付属上海市第5人民病院のウー・ヨウゲン氏らの研究調査によると、身長が高い人は、がんになるリスクが高いという。「Cancer Epidemiology(がんの疫学)」誌(2024年10月号)に調査結果が掲載された。

 中国人の特定集団を一定期間にわたり追跡調査した結果、身長の高い人は、がん全体、肺がん、食道がん、乳がん、子宮頚がんのリスクが有意に関連していたという。

 さらに、中国、日本、韓国のデータを用いて解析した結果、東アジア人は、高身長が、肺がんおよび胃がんのリスク因子となる可能性があるという。

 研究チームは「身長とがんのリスクとの関連性は多くの研究で示されているが、こうした研究の大半は西洋人を対象としている。本研究では東アジア人におけるこの関連性を評価することを目的とした」としている。

 身長と病気との関係については、日本の「国立がん研究センター」も18年に調査結果を発表している。

 調査結果によると、身長が高い成人は男女ともに脳血管疾患で死亡するリスクは低いが、身長の高い成人男性はがんの死亡リスクが高くなるという。この研究は40~69歳の男女10万7794人を対象としたもの。長期間(平均約19年)追跡調査した。身長は自己申告。身長別に4グループに分けて、全死因、がん、心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、その他を調べた。

 その結果、男性の低身長(160センチ未満)と、高身長(168センチ以上)との間には差があり、脳血管疾患の死亡リスクは高身長の方が17%低くなった。また、呼吸器疾患死亡リスクも16%低かった。その一方、全がん死亡率は低身長の男性に比べて、高身長の男性の方が17%高くなったという。

 女性の場合は、脳血管疾患死亡リスクで差が出た。高身長の女性(156センチ以上)は、低身長(149センチ未満)より脳血管疾患の死亡リスクが16%低くなった。

■IGFレベルが高いとがん細胞も増殖しやすい

 すでに欧米などの研究では、高身長ほどがんによる死亡リスクが高く、循環器疾患(心疾患や脳血管疾患)による死亡リスクが低いことが報告されている。

 しかし、なぜ高身長だとがんのリスクが高くなり、循環器疾患のリスクが低くなるのだろうか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏(内科医)はこう言う。

「“身長が高い人は、がんのリスクが高い”というのは欧米ではコンセンサスになっています。がんリスクが高くなるメカニズムは、まだ明らかにされていません。ただ、高身長の人ほど発がんに関連する『インスリン様成長因子』(IGF)のレベルが高いことが関係している可能性は考えられます。IGFのレベルが高いと細胞分裂が促され体も大きくなりますが、がん細胞も増殖してしまいます。もっとも、がんになるのはいくつも要因があり、高身長が及ぼす影響は微々たるものでしょう。一方、高身長の人の循環器疾患のリスクが低くなるというのは、高身長の人のリスクが低いのではなく、低身長の人のリスクが高い、ということかも知れません。一般的に低身長の人は、幼少期に低栄養だった可能性があり、血管がもろく、循環器疾患のリスクが高くなるとも考えられます」

 身長と病気との関係について研究が進めば、予防や治療に役立つようになるのではないか。

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