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経営再建にあえぐ企業が相次ぐ12月 日産自動車の下請け・孫請けはどうなる?(中西文行)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年12月13日 9時26分

経営再建にあえぐ企業が相次ぐ12月 日産自動車の下請け・孫請けはどうなる?(中西文行)

どうした日産(「北京国際モーターショー」で、最新EVを披露する日産自動車の内田誠社長=4月)/(C)共同通信社

【経済ニュースの核心】

 企業にとって、年末は資金繰りに走り回る大変な時期。師ではないにしろ、まさに「師走」を迎えている。日産自動車や東芝、ユニチカ、イトーヨーカ堂などは人員整理を含む経営再建に喘いでいる。優秀な人材の流出、人材崩壊にも直面していよう。

 日産自動車は2024年の春闘で労働組合が要求した月1万8000円の賃上げについて満額回答していたが、11月7日に25年3月期の営業利益を従来の5000億円から1500億円に下方修正した。当然、その影響は、日産車体、ユニプレス、河西工業、ヨロズなど取引先企業におよぶ。多くの下請け、孫請けへ波及。厳しい師走である。

 日産自動車の株価は15年(最終取引日:円未満切り捨て)に1279円、18年880円、20年560円、24年12月6日には367円と下落している。この間、高配当利回り銘柄として人気があり、世界に先駆けて電気自動車(EV)を量産。ルノー(日産の筆頭株主)、三菱自動車(日産が筆頭株主)の3社連合で「スケールメリット」が生まれ、コストダウンも進むはずと個人投資家はNISAで購入していたはず。現状を見る限り、長期保有はリスクが高い。

■日本は米国の関税引き上げ対象リストの4番目か5番目に

 25年1月20日に米国の次期大統領に就任予定のトランプ氏は11月25日、自身が設立したSNSで、メキシコとカナダからの輸入に25%、中国からの輸入に10%の追加関税を就任初日に課す意向を示した。

 外交問題評議会(CFR)世界経済政策担当特別研究員および地経研究グリンバーグセンター所長特別研究員のマシュー・グッドマン氏は11月21日、「日本がトランプ2.0に備える」と題した論考を発表。論考では、トランプ氏が関税を課すかどうか判断する指標として、①防衛費の水準と方向性②貿易不均衡③米国国債保有額④為替操作の有無、の4指標を挙げた。これら指標に基づくと、「おそらく日本は中国、メキシコ、ベトナム、そして欧州に次いで、トランプ氏の関税引き上げ対象国リストの4番目か5番目になる」と指摘した。

 先行き不透明な師走を迎えたが、25年の歌会始のお題は「夢」であり、25年の干支は、十干の「乙」と十二支の「巳(へび)」が組み合わさった「乙巳」である。乙巳の年は、「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」年と考えられる。

 25年は超大国米国、「米国第一」のトランプ氏の大統領就任により、米国以外の景況は明るいとは言い難いが、株価は「森羅万象」を包含し、景気への「先見性」もあるといわれる。日本の株式市場ならではの「干支」に期待したいものの、株価にトランプ氏の影響が表れ始める「師走」である。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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