ナースは見た 独居老人の土地狙う「地面師」ダマしの手口

日刊ゲンダイDIGITAL / 2017年3月2日 9時26分

写真

独居老人をターゲットに…(C)日刊ゲンダイ

 このところ、「地面師」が暗躍している。他人になりすまし、勝手に土地を売買したりする土地専門の詐欺師のこと。

 2月13日にも、東京・墨田区に住む80代女性の土地を勝手に売却した詐欺容疑で、会社役員の宮田康徳容疑者(54)ら地面師グループ6人が警視庁に再逮捕された。

 宮田容疑者らは12年12月~翌年1月に、女性が所有する土地などの書類を偽造し、横浜市の不動産会社から7000万円をダマし取ったという。

「宮田容疑者らは別の不動産業者からも、同様の手口で約7億円をダマし取ったことが分かっています。さらに数件の詐欺をはたらいていたようで、被害額は計数十億円に上るとみられています」(捜査事情通)

 独居老人の増加に伴って「地面師も増えてきている」(警察関係者)というが、東京・江東区の病院に勤める看護師は、「(地面師らしき)怪しい男を目撃した」とこう証言する。

■資産家の女性の前に突然現れた「息子」

「この数年、通院してくる独り暮らしの80代女性がいますが、土地持ちの資産家で、高級バッグをいつも持ち歩いている。昨年あたりから認知症が進み、会話もかみ合わなくなり、『私はお金があるの』が口癖になった途端、これまで一度も姿を見せたことがない男が、急に『息子』を名乗ってクルマで送り迎えするようになったんです」

 男は見た目は40代で、金髪にピアスとド派手な格好だという。

「別の男が同行することもあるんですが、周囲をうかがう感じで明らかに挙動不審なので、『(女性とは)どういうご関係ですか?』と話しかけてみたら、無言でにらまれました。あの目つきは普通じゃないし、とても親族とは思えません。認知症になるとかたくなになるので、女性に『あの男たちは誰?』って聞いても、取りつかれたような表情で『息子よ』の一点張りなんです」

 今や65歳以上の女性の5人に1人が独り暮らしだ(総務省調べ)。ヤツらは病院でカモになりそうな老人を“物色”している可能性もある。

「暴力団は賭博などのシノギが減り、一発で大金を得られる地面師に力を入れています。ターゲットは独り身で親族や友人と交流の少ない老人で、徐々に取り入っていく。昨年10月、東京・新橋の資産家女性の遺体が見つかりましたが、生前に土地が転売されていた。地面師の仕業とみられていますが、この資産家女性も身寄りがなく、孤独に暮らしていました」(前出の捜査事情通)

 独居老人は今後10年で約100万人増加するという予測もある。老親を独りのまま長く“放置”していたら、地面師のエジキにされるだけだ。

日刊ゲンダイDIGITAL

トピックスRSS

ランキング