16年廃業件数は倒産の3.5倍 「中小企業白書」衝撃の中身

日刊ゲンダイDIGITAL / 2017年4月27日 9時26分

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増え続ける廃業(C)日刊ゲンダイ

 先週21日に閣議決定した2017年版「中小企業白書」(中小企業庁)に驚愕の数字が並んでいる。

 市場関係者が“隠れ倒産”とも呼ぶ休廃業・解散(以下、廃業)の急増が明らかになったのだ。16年の廃業件数は2万9583件で過去最多を記録。2000年に比べ、倍近くにハネ上がった。白書は、調査会社の東京商工リサーチなどの資料を基に、さまざまな角度から分析している。

 倒産件数は08年の1万5646件から減少を続け、16年は8446件。3年連続で1万件を下回った。その一方、廃業は増えるばかりで、倒産件数の3.5倍に達したのだ。

「16年はサービス業の廃業が目立ちました。長い間、廃業件数のトップは建設業でしたが、今回初めてサービス業が最多を記録しました」(東京商工リサーチ情報部の原田三寛氏)

 サービス業は7949件で、建設業の7527件を上回った。サービス業の中でも、10年前と比べ増加傾向が顕著なのは一般診療所で335件増。内科や耳鼻科、皮膚科などが同じ建物内に入る近代的な医療モールは増えているが、ひと昔前、ちょっと風邪をひいたときなどに診てもらった「町のお医者さん」は消えつつある。

 廃業に踏み切った経営者の年齢を見ると、60代が最も多く34.7%、次いで70代の33.6%、80代以上の13.9%と続く。実に60代以上が82・2%を占めた。後継者に恵まれず、やむなく廃業を選択する高齢者は多いようだ。

 黒字廃業は約半数に上っている。13~15年に廃業し、売上高経常利益率の判明している会社を分析したところ、黒字にもかかわらず廃業した企業の割合は50.3%だった。利益率10%以上が14.0%、20%以上が6.4%あった。

「経産省や金融庁は金融機関に対し、将来性の見えない中小企業には廃業を勧めるよう指導しています。銀行が融資をストップしたり、融資の回収に動けば中小・零細はひとたまりもありません。倒産件数が少ないと、経済は順調のように映りますが、その裏で廃業が過去最悪では『頭隠して尻隠さず』でしょう」(市場関係者)

 倒産と廃業の合計件数は16年に3万8029件。アベノミクスがスタートする前の2011年と同水準だ。「倒産減少」などまやかしに過ぎない。

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