籠池氏の口封じ画策 安倍政権“国策捜査”で追及逃れの悪辣

日刊ゲンダイDIGITAL / 2017年6月20日 9時26分

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森友学園の籠池前理事長(左)と職員同行選挙応援の昭恵夫人/(右=島尻安伊子氏のツイッターから) 

 国会を強引に閉幕し、加計学園疑惑追及の“時間切れ”に続き、間髪入れず、安倍政権は森友学園疑惑の幕引きを図るつもりらしい。森友学園の補助金不正受給を巡って、近く強制捜査するという報道が相次いでいるが、検察は近畿財務局への告発を受理しながら、国有地払い下げ問題や昭恵夫人の疑惑には目をつむっている。国家権力中枢の巨悪は見逃し、盾突いた民間人は立件する。籠池泰典前理事長の口封じ目的の国策捜査はミエミエだ。

 刑事告発されている籠池前理事長の容疑は2つ。3月と5月に大阪地検特捜部がそれぞれ受理した。まず森友学園が豊中市に計画していた小学校の建設費。実際の金額とは異なる工事契約書を国交省に提出し、補助金5600万円を不正に受け取った補助金適正化法違反の疑いがある。

 2つ目は、学園が運営する塚本幼稚園が専従職員の人数に応じて支払われる補助金約3400万円と、特別な支援が必要な園児の人数に支払われる補助金約2700万円を不正受給した詐欺の疑いだ。

 元大阪高検公安部長の三井環氏は強制捜査報道に首をひねる。

「返せばいいわけではありませんが、森友学園は3月28日に小学校建設の補助金を全額返金しています。幼稚園の補助金も、行政と学園側がじっくり話し合って解決するのがスジです。両方とも特捜部が強制捜査する案件とはとても考えられません」

■本丸の国有地払い下げ、昭恵疑惑は無視

 それに比べて、安倍昭恵夫人や国に対する告発については、検察の動きは極めて鈍い。

 前出の三井氏は、昭恵夫人とお付きの職員3人を、選挙応援に関与していたとして、国家公務員法(政治的行為の制限)違反の疑いで4月に告発している。三井氏いわく「受理はしましたが、東京地検はまったくやる気はないようです」。

 また、8億円値引きの国有地払い下げ問題を明るみに出した木村真・豊中市議ら市民230人が「著しく低廉な価格であることを知りながら国に損害を与えた」として、財務省近畿財務局を背任容疑で告発。4月に受理されたものの、「検察の動きは伝わってきません」(関係者)というありさまだ。籠池氏への対応とはえらい違いである。

「森友問題の本質は、国有地払い下げと昭恵夫人の疑惑です。それらは不問にして、検察は補助金問題という“端っこ”の案件になぜか熱心です。特捜部の捜査は“籠池氏をヤレ”という『総理のご意向』でもあったのでしょうか。強制捜査は籠池氏に“悪人”のレッテルを貼る『印象捜査』。捜査情報を垂れ流すマスコミも問題です。何でもアリの安倍官邸のこと。疑惑の口封じのため、場合によっては籠池氏の逮捕に踏み切るかもしれません」(三井環氏)

 2014年の都知事選に立候補した田母神俊雄氏は公選法違反容疑で逮捕され、保釈されるまで5カ月以上もかかった。半年近くも籠池氏の口を封じれば国民も疑惑を忘れてしまう。強制捜査のドサクサで加計逃れの国会閉幕、共謀罪成立の横暴もカキ消されかねない。

 安倍官邸の狙い撃ち捜査を許してはダメだ。

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