誤認逮捕で勾留19日 無実の21歳女性が受け取るスズメの涙

日刊ゲンダイDIGITAL / 2017年9月13日 9時26分

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今年5月15日、徳島県警が詐欺容疑で女性を逮捕、19日間勾留した事件が誤認逮捕と判明した。

 誤認逮捕されたのは愛知県豊田市の専門学校生の女性(21)。容疑はツイッターに「関ジャニ∞の公演チケットを譲る」とウソを書き込み、徳島市内の女子高生から4万円をダマし取ったというものだった。

 ところが真相は第三者が彼女に成り済ましていた。真犯人は京都の女子中学生(15)で、詐欺容疑で書類送検された。

 その手口は巧妙かつ複雑だ。昨年8月、女子中学生はツイッターで、誤認逮捕された女性からチケットを買う約束をし、その際、相手の銀行口座情報などを入手。この情報をもとに女性のものに似せたアカウントでツイッターを開設した。実際には約束しただけで購入していなかった。

 女性に成り済ましたツイッターでチケットをさも手元にあるように売り出すと、徳島市内の女子高生が購入を希望。女子中学生は代金4万円を入金させたが、その口座は女性のもの。女子中学生からの入金と思い込んだわけだ。

 すると、女子中学生はネットオークションに架空のチケットを出品。落札した第三者の女性に自分の口座へ代金を振り込ませた。金額は手数料を除いて約6万円。これが女子中学生の儲けとなった。

 さらに女子中学生は売買を約束していた女性に連絡し、チケットをネトオクの落札者に送らせたが、徳島市の女子高生は代金を払ったのにチケットが届かない。そこで警察に通報、女性は逮捕された。

「捜査にはサイバー犯罪課も加わったが、警察は最初から振り込め詐欺のような単純犯罪と思い込み、成り済ましの可能性を排除した。これが誤認逮捕を招いたのです。女性は一貫して容疑を否認するも、6月2日まで勾留され、処分保留で釈放。自分がチケットを送った証拠を郵便局で見つけて検察庁に連絡し、無罪と判明したのです」(捜査事情通)

 事件を担当した県警三好署は11日午後、署長と副署長が謝罪する事態となった。

 無実の女性が19日間も勾留されたとは人権蹂躙も甚だしい。補償はどうなるのか。

「法務省の訓令で定められている被疑者補償が支払われる可能性が高く、金額は1日あたり1000~1万2500円。最高額になることが多いようです。ほかに国家賠償や民事で名誉毀損裁判を起こす方法もあります」(元検事の落合洋司弁護士)

 19日間で最大23万7500円。スズメの涙のようなはした金で泣き寝入りさせられるのか。

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