赤字不可避の新国立 JSC“白旗”で運営を民間にブン投げ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2017年11月15日 15時4分

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工事は急ピッチで進んでいる(C)日刊ゲンダイ

 野放図な計画を描いたツケだろう。

 政府は14日、2020年東京五輪のメインスタジアムとなる「新国立競技場」の大会後の利用方法について関係閣僚会議を開催。競技場運営権を民間に売却する「コンセッション方式」の導入を目指し、19年をメドに具体的な実施方式を決定するという。

 公募を行い、大会後の20年秋には運営事業者を選定する方針を決めたのだが、多くの国民は国立の競技場を「なぜ民間に任せるのか」と疑問を抱いているに違いない。

「新国立は敷地が広く建物も大きい。最新鋭の設備も大量に入れることになります。旧国立に比べ、維持管理費が拡大するのは間違いありません。スポーツイベントだけで黒字化するのはかなり難しいとみています。そのため、コンサートや市民スポーツ大会の開催で収益を高める必要がある。意見やアイデアをヒアリングした上で、民間事業者に運営をお任せすることを検討しています」

 日本スポーツ振興センター(JSC)の望月禎理事はこう説明していたが、誰がどうみても「役人じゃ、まっとうな運営は無理」と民間にブン投げたとしか思えない。要するに“白旗”を掲げたのだ。

 だが、そもそも「国民のスポーツ振興」が目的で1500億円もの国費が投じられたのではないのか。建築エコノミストの森山高至氏はこう言う。

「民間に運営権を売却したら、本来の趣旨とは外れてしまうでしょう。コンサート利用と言っていますが、新国立は屋根がなく通気性に優れているため、音が外に漏れやすい。騒音問題を巡り、近隣との調整は難しいと思います。そんな状況で、果たして手を挙げる企業がいるのか疑問です。そもそもの計画がズサンだったと言うしかありません」

 旧計画の「白紙撤回」から、はや2年。“負のレガシー”にまっしぐらである。

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