松本や有吉も絶賛…牧野ステテコの“ないない尽くし”ネタ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年1月13日 9時26分

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牧野ステテコ(C)日刊ゲンダイ

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 昨年末に初めて行われた女性限定のお笑いコンテスト「女芸人No.1決定戦 THE W」は、ゆりやんレトリィバァ(27)の優勝に終わった。しかし、この大会で副音声解説を務めていた松本人志(54)は、優勝者とは別の芸人に大きく反応していた。それは、女性ピン芸人の牧野ステテコ(38)だ。

 ネタ前の紹介VTRの時点で、松本はまず牧野の風貌に驚いていた。おかっぱ頭で体はガリガリ。長いポールを持って舞台に現れたその姿は、西遊記の沙悟浄を連想させる異様なものだった。

 彼女は「ポール牧野」というポールダンサーに扮して、観客をセクシーなポーズで挑発しながら、自虐ネタを繰り出していく。動きにキレがない、演技力がない、ネタの中身がない。

 ところが、「ないない尽くし」のこのネタには、見る者をクギ付けにする不思議な魅力があった。優勝こそ逃したものの、強烈なインパクトを残した牧野は見事に準優勝。その後も「UWASAのネタ」というネタ番組で日本テレビの水卜麻美アナ(30)とコラボネタを披露するなど、快進撃を続けている。

 牧野ステテコという芸人の特徴は、B級感あふれたユルユルのネタと、それを演じる本人の屈託のない明るさだ。芸歴はとっくに10年を超えているが、ネタの内容からはそのキャリアの重みが感じられない。

 彼女の芸風は昔から変わっていない。いろいろなシチュエーションでスカートの下からパンツをのぞかせる女性を演じて、「パン、パンチラ~♪」というフレーズでつなぐコントが初期の代表作である。彼女が「THE W」で爆発的にウケた理由は、「キングオブコント」でにゃんこスターの縄跳びコントが爆笑を取ったのと同じである。つまり、大々的に行われる敷居の高いお笑いコンテストという場所だったからこそ、その雰囲気にそぐわない脱力系のネタが格別に面白く見えたのだ。

 彼女を高く買っているのは松本だけではない。爆笑問題や有吉弘行(43)も自身のラジオ番組で牧野を絶賛していた。

 地下お笑いシーンから突如現れた「陽気な沙悟浄」が、まさかの大ブレークを果たす日も近いのかもしれない。
(ラリー遠田/お笑い評論家)

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