次々消える「日大広告」…稚拙な危機管理で狂った広報戦略

日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年5月25日 12時0分

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23日の会見での内田前監督(右)と井上コーチ/(C)日刊ゲンダイ

 日大アメフト部の悪質タックル問題の影響で、球場から次々と「日大」が消えている。

 24日、横浜スタジアムのベンチ前にあった「スポーツ日大」の広告が消えた。日大と15年からスポンサー契約を結んでいるヤクルトは、神宮球場にある「日本大学」の広告のデザイン変更を検討している。

 東京ドームには外野に2つの「日本大学理工学部」の看板があったが、現在はない。東京ドーム広報IR室は「その看板は今回の問題とは関係なく、今季は契約を更新せずに外されております。外壁などにもございませんし、対応に追われることはありません」と言う。だが、巨人の公式HPに記載されていたオフィシャルスポンサーの一覧から「日大」が削除されるなど、すでに影響は出ている。

 航空会社のJALとも提携。機内で各学部のCMを放映している。

 平昌五輪男子モーグル銅の原大智(21=スポーツ科学部)をメーンに抜擢したCMもテレビなどで流している。

 かつて学部新設に関しては朝日新聞の全面広告を飾ったこともある。その資金源はなんといっても私立大学ナンバーワンの収入にある。15年度(16年3月期)の事業活動収入は1882億円。内訳は学費が1000億円強で、昨年2位だった91億円を超える補助金、入学検定料、付随事業収入などが加わる。

 来年迎える日大130周年へ向けた「広告戦略」だが、「その効果も今回の対応で吹っ飛びました」というのは、ビジネス評論家の菅野宏三氏だ。

「事件が大きくなる前からの大学の対応は最低です。23日の緊急会見も、2年前に危機管理学部を新設した大学とは思えない稚拙なもの。近年、大学の生存競争は厳しい。日大がこれまでどれだけの広告費を使ったかは知りませんが、あのタックルを『勘違い』といって、本来は守るべき学生に罪をなすりつける指導者と、会見進行のノウハウを知らない司会者(広報部)で日大のイメージはガタ落ちです」

 さらに菅野氏はこう続ける。

「司会者が『本日は時間無制限で2人は誠意を持ってお答えします』と言って、監督、コーチも真実を語っていれば、少しはイメージ回復につながったかもしれない。それが、さらなるイメージダウンになった。あんな司会者に大事な会見を仕切らせることや、会社でいえば社長と同じ立場の理事長が今も公の場に出てこないというのが、日大のおかしさを象徴している」

 広報戦略に狂いが生じたのは自業自得だ。

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