米朝会談で10億円ビジネス 報道1ブース65万円の法外使用料

日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年6月11日 15時0分

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プレスセンターと写真つきミネラルウオーター(提供写真)

 いよいよ、12日に開かれるトランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による初の米朝首脳会談。歴史的会談の開催地となるシンガポール国内はピリピリとした緊張感に包まれているのかと思いきや違った。首脳会談の報道陣をターゲットに、あの手この手の“特需ビジネス”が展開されているのだ。

 現地報道などによると、米朝首脳会談を取材する記者は2500人前後で、ホテル代、食費、交通費などを合わせると計1000万ドル(約11億円)以上の経済効果が期待されている。記者以外にも世界中から数千人規模の外交官が情報収集のために同国を訪れており、ホテル相場が急騰。冷蔵庫のない部屋でも1泊100ドル(約1万1000円)以上、チャイナタウンやインディアンタウンにあるカプセルホテルでも1泊60ドル(約6600円)以上にハネ上がっている。

 北朝鮮は先遣隊だけでも100人以上。当然、厳重警備が必要で、シンガポール政府が依頼した警備会社はウハウハだ。

 こうした状況をシンガポール最大の新聞「ザ・ストレーツ・タイムズ」は「ゴールドラッシュ」と表現しているが、“ぼったくり”と化しているのが、シンガポール政府が設営したプレスセンター(IMC)だ。

「プレスセンターは、大観覧車シンガポール・フライヤーの真後ろに位置し、F1シンガポールGPでも取材拠点になります。シンガポール政府傘下の『Mediacorp』という会社が、プレスセンターの放送用ブースの使用料を設定しているのですが、これがバカ高い。1ブース(3×4メートル、イス2脚)でナント8000シンガポールドル(約65万円)、ライブ用のスタンドアップ位置の使用料が1日1万2000~1万5000シンガポールドル(約98万~123万円)です。専用ネットは、通信速度によって3500~7700シンガポールドル(約28万円~63万円)。さらに首脳会談会場のセントーサ島で、カペラホテルを眺める特等席は1日2万米ドル(約220万円)、1時間で3000米ドル(約33万円)。要するに『いい場所で取材したければカネを払え』というワケですが、欧米メディアの記者は『米朝会談でシンガポール政府が金儲けしようとしている』とカンカンになっています」(在米ジャーナリスト)

 そんな“ぼったくり”ブースを日本メディアは複数社で50近くも使用。対照的にトランプ大統領に批判的なCNNは、わずか1ブースだ。政権に対するメディアの姿勢がうかがえるようだ。

 プレスセンターで各国記者に配られた記念バッグの中には、トランプ大統領と金正恩委員長の2人の写真付きのミネラルウオーターや、シンガポール政府のパンフレットと一緒に、なぜか、韓国のパンメーカーのパンフレットも。このパンメーカーは南北首脳会談時のプレスセンターでパンを販売していた業者だ。

 カネになれば、歴史的位置づけなど関係ない。さすが中国系が国民の7割以上を占める多民族国家である。経済発展が続くワケだ。


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