1回で5万円注文も “紀州のドン・ファン”が花を愛したワケ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年6月14日 9時26分

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自宅近くのスナックにはこんな名前のスナックも…(C)日刊ゲンダイ

「花瓶を買ったから花を生けてくれ」

 急性覚醒剤中毒で亡くなった「紀州のドン・ファン」こと、野崎幸助氏(享年77)は地元で「無類の花好き」として知られていた。市内の花店関係者がこう言う。

「野崎さん宅に初めて花を持って行ったのが、20年前くらい。突然、電話がかかってきてね。で、どんな花が合うかと思って花瓶を見に行ったんだ。そしたら、(フランスのガラス工芸家)エミール・ガレの花瓶が置いてあって。値段は2000万円ぐらいと言っていたかな。『これは美術館に飾る花瓶であって、実際に花を挿すものじゃない』とやんわり断ったら、『そんなんいい』と怒っていたよ」

 以来、野崎氏から花の注文が度々、電話で入ったという。

「特別に思い入れや、こだわりを持っていた種類の花はなくて、とにかく『値段の高い花がほしい』と。1回に5万円分とか6万円分とか値段だけ言うので、適当に見繕って持って行った」(前出の花店関係者)

 別の花店経営者は、野崎氏宅で花を生けている間、本人から身の上話をよく聞かされたと打ち明ける。

「会社の名前はもともと(アパレルの)『オンワード樫山』だったが、商標権侵害か何かで訴えられて名称変更を余儀なくされたとか、田辺市の花火大会が財政難で中止になりかけたとき、自分が1億円出そうと思ったとか……。きっと話し相手が欲しかったんじゃないかな」

 花は孤独な心を埋めてくれる存在だったのだろう。

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