焦点は党員票3割…石破陣営が懸念する台風上陸と低投票率

日刊ゲンダイDIGITAL / 2018年9月12日 9時26分

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握手をする石破元幹事長(左)と安倍首相だが……(C)日刊ゲンダイ

 ようやく、10日安倍首相(63)と石破茂元幹事長(61)の共同記者会見が行われた自民党総裁選。すでに勝敗は決したも同然。関心は「石破氏が党員票の3割を獲得できるかどうか」に移っている。安倍応援団は、なにがなんでも石破氏の党員票獲得を3割以下に抑え込もうとシャカリキだ。

 10日の共同記者会見は、石破氏が一方的に攻め込んだ形だ。

 安倍首相の政治手法を「国論を二分していいと思わない。私は正面から国民と向き合い、理解をいただく手法を取る」と批判。さらに、「やりたいことは経済の再生だ」「なぜ労働分配率が43年ぶりに最低水準になったのか。最大の問題だ」と、アベノミクスが失敗に終わったことをバクロ。「地方こそ成長の力だ」と、地方経済が疲弊していることも指摘した。

「正直、公正、石破茂」というスローガンが、「個人攻撃だ」と批判され、しばらくアベノミクス批判も控えていたが、どうやら選挙中は徹底的にアベノミクスを批判するようだ。

 総裁選の焦点は、石破氏が党員票の3割を獲得するかどうか。共同通信が自民党員を対象に行った最新の調査では、安倍61.0%、石破28.6%、無回答10.4%だった。

「もし、石破さんが党員票の3割を奪ったら、影響力を保持し、来年夏の参院選で自民党が惨敗した時、“ポスト安倍”の最右翼となるでしょう。逆に3割を割ったら“ポスト安倍”レースから脱落しかねない。3割を奪うためには、アベノミクスを批判し、現在支持してくれている28.6%を固めた方が得策と判断したのでしょう。自民党員のなかにも“安倍嫌い”は3割はいますからね。と同時に、安倍政権との違いを鮮明にした方が、来年夏の参院選後、ポスト安倍が近づくと考えたのだと思う」(政界関係者)

「石破茂を叩き潰す」と息巻いている安倍応援団は、絶対に党員票を3割以上取らせないつもりだ。いま、石破陣営が心配しているのは、「低投票率」と「台風22号」だという。

「前回6年前の総裁選は、党員の投票率は62.5%でした。今回は、もっと下がるでしょう。街頭演説やテレビ討論の回数が少ないうえ、安倍3選が確定し、総裁選が盛り上がっていないからです。投票率が下がったら、石破さんは圧倒的に不利です。浮動票は棄権、組織票だけになるからです。さらに来週、関西国際空港を麻痺させた“台風21号”よりも強烈な“台風22号”が上陸する恐れがある。もし、また災害が発生したら、安倍応援団が『選挙運動は自粛すべきだ』と訴えるのは確実です。予定されている街頭演説も中止になってしまうでしょう」(自民党関係者)

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。

「討論会や街頭演説会を減らすのは、自民党の終わりの始まりですよ。本来、総裁選は党をアピールする絶好の機会です。来年夏の参院選を考えたら、大々的に選挙戦をやった方が得策です。なのに、地味にやるのは、安倍首相が自分の圧勝しか考えていないからではないか。“我が亡き後に洪水よ来れ”ということでしょう」

 もし、党員の投票率が50%を大きく下回ったら、安倍3選の正当性が問われるのではないか。

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