鉄剤注射はドーピングと同じ 放置してきた日本陸連の大罪

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年5月23日 12時0分

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リオ五輪銀メダリストのユニス・キルワも暫定的に資格停止処分(C)ロイター

「対応が甘い」との声もある。

 日本陸連は22日、長距離選手が貧血治療用の鉄剤注射を記録向上のために用いている問題について、今年の全国高校駅伝から血液検査で使用が疑われた場合、指導者にヒアリングを行い、説明を求める考えを示した。ただし、罰則は科さないという。

 陸連は以前から、女子長距離選手が持久力を高めるために鉄剤注射をしている事実を把握していた。2016年には、治療以外の使用には警告も出している。

 くしくも陸連発表と同日(現地21日)には、リオ五輪の女子マラソン銀メダリストのユニス・キルワ(バーレーン)がドーピング違反で国際陸連が不正監視のために設置した独立機関から暫定的な資格停止処分を科された。ケニア出身のキルワは14年に国籍をバーレーンに変え、15年から名古屋ウィメンズで3連覇を達成。日本でもお馴染みの選手。あの成績もクスリのおかげだったのか。

 ケニアといえば、同五輪女子マラソン金のスムゴングも2年前の抜き打ち検査で赤血球の増加効果があるエリスロポエチンに対し陽性反応が出ただけでなく、書類偽造などもあって今年1月、8年間の資格停止処分を受けたばかり。中・長距離王国のケニアもロシア同様、近年はドーピング違反が続出している。

 持久力アップに効果がある鉄剤注射も、禁止薬物を使用するドーピングと同じ。過剰摂取で体内に鉄がたまると、胃痛、下痢、便秘、肝機能障害などの副作用もある。多くの選手は指導者の「点数稼ぎ」の犠牲者だが、野放しにしてきた陸連の罪も重い。

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