長引き離婚を巡る「世界のキタノ」と「世界の三船」の違い

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年6月20日 9時26分

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ビートたけし(左)と三船敏郎(C)共同通信社

 これまでビートたけし(72)は事を起こすたびに決まって女性の影がチラついていた。「フライデー」襲撃事件では、当時、愛人に対しての取材方法に激怒したことが発端だった。深夜の赤坂でのバイク事故も、付き合っていたグラドル宅に通う際に起こしたといわれていた。昨年の独立でも、愛人A子さんの存在が喧伝されていた。離婚もしかり。A子さんが裏で糸を引いているといわれている。

 独立時、「これまで背負っているものを全部下ろしたい」と発言をしていたように、もうひとつ肩に重くのしかかっていたのが幹子夫人(68)との離婚とみるのが自然。すでに長い期間、別居していた夫婦。唐突な離婚話も不自然だが、ここまで長引いたのも単純にお金だけの問題ではないだろう。夫人はこれまで家などの不動産からたけしの会社の役員になるなど十分すぎるお金が渡っていたとされる。改めて慰謝料をもらってまで離婚する必要もない。そこには一方的に家を出て行き、別な女性と暮らす夫に対し、妻としての意地があったと思う。

 離婚は過去の事例とかぶるケースがある。たけしの場合、故・三船敏郎氏と似て見える。三船も愛人と暮らし続け、娘まで生まれていた。本宅に残された夫人。なに不自由なく暮らしていたが、頑として離婚に応じなかった。取材に訪れて聞き出した言葉がある。

「そう簡単に“世界の三船”夫人の座を渡せない」

 たけしも多岐にわたる才能で「世界のキタノ」と誰もが認める存在にまで上り詰めた。唯一の弱点がスキャンダル。騒ぎになるたびに応じなければならないのが芸人の性(さが)。ましてや、たけしは他の芸能人のことでは、ギャグを交えて応じてきた。自分のことでもしゃべらないわけにいかない。たけしは事が起きるたびに得意のギャグでかわしてきた。

 今回の離婚も自身が出演する「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)で、「お金取られた」「捨てられるとは思わなかった」などと、真実ともギャグともつかない表現でかわした。離婚した事実があるだけで、強く印象に残ったのは「100億円離婚」の一報だけ。推定金額にしても芸能史に残る高額に「さすが世界のキタノ。離婚も半端ねえー」と驚くばかり。

 ハリウッドスターが離婚を巡り驚異的な慰謝料が話題になるように、離婚の金額もスターの証し。たけしもスターとしてのステータスは保たれたことになる。

 予想通り爆笑で終わった離婚話だったが、たけしの本音と思われる部分も垣間見られた。

「オイラの本を出版しておいて、同じ社の週刊誌はスキャンダルを平気で記事にする」と怒りの顔で某出版社を非難した。この言葉を聞き、依然として週刊誌に対する恨みが根強く残っていると感じた。振り返れば、フライデー事件の後、たけしは積極的に週刊誌や新聞の連載を活発化。さらに作家としてエッセーや小説を出版していた。裏を返せば、「出版で貢献すれば、系列の週刊誌もスキャンダルを控えるだろう」と、出版の目的には週刊誌の口封じもあったとの見方もできる。くだんの三船氏の対応を思い出す。別居を直撃した際、「それがどうした」と一喝された。「世界の三船は違う」と思うしかなかった。スキャンダルで動じないのもスターの証しである。

(二田一比古/ジャーナリスト)

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