セイン・カミュは事務所独立問題がこじれて芸能界から消えた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年9月20日 9時26分

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セイン・カミュ(C)日刊ゲンダイ

【実録 芸能人はこうして干される】#8

 今やすっかり影が薄くなってしまったタレントのセイン・カミュ(48)だが、2000年代半ばには10本以上のレギュラー番組を持つ代表的な外国人タレントだった。だが、04年、事務所独立問題がこじれ、芸能界から忽然と姿を消した。

 なぜセインは干されたのか。セインと所属事務所R&Aプロモーションとの間で争われた裁判の記録から読み解く。

 05年3月16日付の原告R&Aの訴状によれば、セインとR&Aは02年7月に10年間の専属契約を締結。ところが、両者の関係が悪化し、セインは友人がつくった事務所に移籍。これによって損害を受けたとしてR&Aは約9887万円の賠償を求めた。

 一方、セインはR&Aとの専属契約の解除は適法だと主張。さらに、R&Aがセインの営業活動を妨害したなどとして9430万円の損害賠償を求め、反訴した。

 セインによれば、R&AのI社長とセインとの関係が悪化したのは、02年末の口論がきっかけだった。04年ごろにはI社長から「辞めたければ辞めていいよ。その代わり、徹底的に潰してやる」と言われた。

 実際、セインがR&Aを退職すると、R&Aは執拗にセインを潰しにかかったようだ。裁判が始まってから、R&Aはテレビ局などに対し「無断でセインを起用するな」などと執拗に要求。セインが出演した番組が放送されると「この業界にいられなくしてやる」「セインを使うなら、R&Aが抱える他の外人タレントを出演させない」などと恫喝し、トラブルを恐れたキャスティング担当者の多くがセインの起用を見送るようになった。

 セインがビールの新製品のCMに出演した際、R&Aが関わる「外国人タレントプロダクション事業協同組合」がFAXで大手広告代理店に質問状を送付し、セインのCM出演がR&Aに連絡なく決定した経緯などについて回答を求めた。こうした質問を装う嫌がらせにより、予定されていたセインのCM出演は中止に追い込まれた。

 裁判は1審、2審ともにセインの勝訴となったが、セインの芸能界復帰は容易ではなかった。

 その理由の一つには週刊誌報道の影響もありそうだ。報道によれば、セインのテレビデビュー作であるNHKの番組で大麻使用疑惑が持ち上がり、番組を降板させられていたという。この報道があったのは、R&Aの請求棄却が予想された控訴審判決の言い渡し日の直前だった。10年も前の話が蒸し返されたのは、セインに対する意趣返しだった可能性もある。  =つづく

(星野陽平/ジャーナリスト)

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