残留も視野って…筒香、菊池、秋山の低すぎる「メジャー挑戦への志」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年11月15日 9時26分

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取材に応じる筒香外野手(左)の代理人ジョエル・ウルフ氏(C)共同通信社

 えっ、何が何でもメジャーを目指すんじゃなかったのかよ――報道陣からはそんな声も上がった。

 日本時間13日、米アリゾナ州スコッツデールで開催中のGMミーティングの会場で、ポスティングシステムによるメジャー挑戦を目指すDeNA筒香嘉智(27)の代理人のジョエル・ウルフ氏が興味深い発言をした。

 筒香の現状というか評価に関して「多くの球団が関心を示している」と言いながら、本拠地にこだわらずレギュラーとして起用するチームを探していること、DeNAへの残留も選択肢に入っていることなどを明かしたのだ。

 同様にポスティングを利用してのメジャー移籍を目指す菊池涼介(29)が仮にマイナー契約だった場合、広島は残留を要請するともいわれている。

 西武の秋山翔吾(31)も残留を含めた国内球団を選択肢から外していないから、な~んだ、結局3人とも条件次第ではメジャー移籍を断念。上のステージへのチャレンジよりカネかと思いたくもなるのだ。

14年ぶりに減少

 メジャーはいま、選手の年俸を抑える傾向があるにはある。昨年の平均年俸は約4億5000万円。それまで右肩上がりだった金額は14年ぶりに減少した。中でもFA選手への投資を控えようという動きは顕著で、昨季の超目玉選手だったブライス・ハーパー(27=フィリーズ)とマニー・マチャド(27=パドレス)の移籍が決まったのは年明けの2月下旬。2015年のサイ・ヤング賞左腕のダラス・カイクル(31=ブレーブスからFA)や4年連続セーブ王のクレイグ・キンブレル(31=カブス)に至っては開幕後の6月まで移籍先が決まらず、しかも買いたたかれた。

 先日、ブレーブスのアンソポロスGMが「他の27球団と連絡を取り合いFA市場やトレードに関して感触を得た」と発言。選手会に問題視されたのも、メジャー球団が結託して選手の年俸を抑えようともくろんでいるというウワサが背景にあるからだ。メジャーが選手との契約に関してシビアになっているのは間違いない。

 実際、筒香と菊池はマイナー契約の可能性があるのだろうし、メジャー契約を勝ち取るであろう秋山にしても西武の「4年20億円」には遠く及ばない評価だからこそ、3人から「残留」の選択肢が消えないに違いない。



年10億円以上も

 が、メジャー契約が結べなくても、年俸が安くても、メジャーに昇格した場合に年俸が上がるスプリット契約でも、チャレンジしないことには始まらない。

 米メディアは菊池が「打線の下位を打つタイプだが、守備に優れたイグレシアスに近い」と今季レッズでプレーし、15年の球宴に選出された遊撃手に例えている。

 そのホセ・イグレシアス(29)は今年2月にレッズとマイナー契約を結び、メジャーの春季キャンプに招待されると、驚異的な守備力が評価され、遊撃のレギュラーに定着。打率・288、11本塁打、59打点をマークした。今オフFAとなっており、年俸の大幅アップは確実だ。

 メジャーリーグ事情に詳しいスポーツライターの友成那智氏はこう言う。

「日本人野手が最初から大型契約を結ぶのは難しい。例えばレンジャーズの秋信守(37)はマイナー契約から這い上がり、13年オフに7年総額1億3000万ドル(約145億6000万円)という大型契約を結んでいます。日本人野手がメジャーに挑戦するなら、それくらいの覚悟を持って海を渡らないと。活躍すれば上がり幅も大きいですから」

 最初はシビアだし、メジャーの年俸がごく一部の選手を除いて縮小傾向にあるのは事実だ。それでも3年続けて活躍すれば、日本球界では考えられない年10億円以上も十分期待できる。それがメジャーである。

 一方で、最初から大金をもらってメジャー入りした場合、背負うプレッシャーは計り知れない。

 06年12月に阪神からヤンキースにポスティング移籍した井川慶は、5年約22億7000万円+出来高という大型契約を結び、鳴り物入りで入団。が、最初の2年間で2勝(4敗)を挙げただけで、3年目以降はマイナー暮らしが続いた。米メディアにはいまだ「ヤンキース史上最悪の契約」といわれている。

 期待が大きいだけに、裏切った時はマスコミやファンに激しく叩かれる。反動の凄まじさは、日本のそれとは比較にならない。

 カネが安いからメジャー挑戦を諦めるというのでは、あまりに志が低い。大金を手にして海を渡るより、大金は渡米してから稼ぐべきではないか。アスリートとしての欲求を満たし、なおかつメジャーで結果を残せば、カネもついてくるのだから。

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