取締役と2度の会食 夕食会めぐり安倍事務所がニューオータニを“口封じ”か

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年11月22日 9時26分

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一流ホテルの名を汚すことになる(ニューオータニ・左)/(C)日刊ゲンダイ

 疑惑が深まるばかりの「桜を見る会」を巡る問題の最大の焦点は、安倍首相自身が20日の参院本会議で「あべ晋三後援会の主催」だと明言した「前夜祭」の夕食会の会費5000円である。

 会場となったホテルニューオータニの宴会の基本料金は最低でも1人あたり1万1000円はかかる。5000円では「安すぎる」という疑念は依然、晴れず、公職選挙法が禁じる「買収」の恐れは消えていない。

 安倍首相は15日の釈明で、価格について「ホテル側が設定した」と主張したが、見積書も明細書もないという。「会費とホテル名義の領収書をその場で手交した」とも言ったが、果たして天皇の即位の礼晩餐会を開くような国際的な超一流ホテルが、参加人数が確定する前に大量の領収書を発行するようなズサンなことをするのか。驚きを禁じ得ないが、安倍サイドがニューオータニに“口封じ”を働きかけたのではないか、という疑いが浮上している。

 共産党議員の国会質問で疑惑がクローズアップされた3日後の11日、安倍首相はニューオータニ取締役を務める今井敬経団連名誉会長と会食、さらに19日にも再び今井氏と会食しているのだ。忙しい首相が短期間に2度も同一人物と食事をするのは異例だ。

 さらには、21日発売の週刊文春によれば、安倍事務所が15日、ニューオータニの広報部長ら2人を議員会館の部屋に呼び出して話し合いの場を持ち、「会費5000円」が厳重に確認されたというのである。

■ホテルは「違法な企業献金」を問われる可能性

 だがニューオータニは、安倍事務所と歩調を合わせていると、自らの首を絞めることになりかねない。会費5000円を「ホテル側が設定した」以上、ホテルも罪に問われる可能性があるのだ。ホテルが安倍サイドにだけ特別サービスをしていたら、基本料金との差額分は安倍事務所や安倍後援会に対する違法な「企業献金」となる。「政治資金規正法」では、企業献金は政党や政党支部に対してしか許されていないからだ。

 実際、過去に違法な企業献金が問題になった事例がある。2009年、神戸製鋼所が兵庫県と山口県にある3事業所で地元の県議選や市議選の候補者5人の後援会に、人件費やポスター製作費など合計2700万円を不適切に支出したことが政治資金規正法に反する寄付行為(違法な企業献金)だとされ、当時の会長と社長が引責辞任した。違法行為は、国税局の税務調査で発覚したという。

 桜を見る会に関しては、既に安倍首相本人が刑事告発されたが、今後、ニューオータニが違法な企業献金の疑いで告発されてもおかしくない。

 元検事の落合洋司弁護士はこう言う。

「ニューオータニほどのホテルで1人5000円という低価格で宴会をやれるはずはない。安倍首相側との日頃の付き合いを背景にホテルが出血大サービスをした、つまり赤字をかぶった可能性が高いのではないか。安倍事務所とホテルが結託・共謀した上での選挙民に対する違法な寄付行為が理屈としては成り立ち得る。いずれにしても、安倍事務所とホテルが不明朗な関係であることは間違いない。ホテルが告発され、受理されれば、お金の流れがどうなっているのか、調べられることになります」

 5000円という価格は本当にホテル側が設定したのか。安倍サイドが裏で差額を補填したのではないのか。一流ホテルの名を汚さないためにも、ニューオータニは事実を明らかにした方がいい。

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