巨人の金庫にカネがない!バレに10億円積むソフトBを傍観“渋チン”のオフ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2019年12月3日 15時0分

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自由契約となったバレンティン(C)日刊ゲンダイ

 獲得は「秒読み段階」ともっぱらだ。

 2日、ヤクルトとの残留交渉が合意に至らず自由契約となったバレンティン(35)を巡り、ソフトバンクが獲得に名乗りを上げた。

 2年総額10億円以上の大型契約とともに、ヤクルト時代から愛着のある背番号4を用意。ヤクルト在籍9年でFA権を取得したバレンティンは、来季から日本人扱いになる。V9時代の巨人以来となる4年連続日本一に向け、日本通算288本塁打を放つ大砲に、巨額の資金を投下する。

 かつてバレンティンはメジャー復帰を視野に入れたことがある。2017年WBCではオランダ代表の4番として存在感を発揮。しかし、メジャーから色よいオファーがなかった上に、ヤクルトが好待遇を維持してきたこともあり、結果的にチームの顔として9年間もプレーした。

「ただその裏で、クビが検討されたこともある」とは、ヤクルトOB。

「打つことは打つが、守備、走塁の緩慢プレーは枚挙にいとまがない。たとえ罰金が科せられようとも、全力で走らないし、守らない。投手はバレンティンの左翼守備に何度も泣かされてきたが、『その分打ってくれたらいい』と周囲は目をつむってきた。歴代の監督、コーチは常に手を焼き、モチベーションを維持しようと苦心してきた。球団も人気の高いバレンティンを重用してきたから、10年近くもプレーできたわけです。35歳という年齢に年俸も高いという理由はあるものの、セのライバル球団はバレンティンの性格やプレースタイルを熟知している。チーム編成はお構いなしで何でも欲しがる巨人や、右の大砲が喉から手が出るほど欲しい阪神という資金力豊富な球団が本気で取りにいかなかったのは、そのためでしょう」

■リスクは織り込み済み

 ソフトバンクは昨オフ、FA権を行使した浅村、西の獲得に失敗。近年、FA戦線でこれといった成果を上げることができていない。キューバ人助っ人のデスパイネ、グラシアルの去就は確定しておらず、バレ獲得は“保険”の意味合いもあるのだろう。

 助っ人全員が残留した上で左翼のバレンティンが加入した場合、同ポジションのグラシアルのコンバートも浮上するなど、選手がダブつくリスクがある。そんなことはお構いなしに、打撃強化のために即座に行動に移せるのは、カネがあるソフトバンクならではといっていい。

 対照的なのが、かつての金満球団だ。

 17年に中日で本塁打王(35本)となり、18年に巨人に移籍してきたゲレーロは今季、101試合で打率・237、21本塁打、54打点だった。大塚球団副代表は「来季も必要かなと監督とはずっと話していたけど、費用対効果、年俸が高い(4億円)」と説明。自由契約とする決断を下した。

 得意とするFA戦線では、美馬、鈴木大地に相次いで逃げられた。異例の連敗は「カネ」の問題との声もある。

■巨人の金庫にはカネがない!

 さる球界関係者がこう言う。

「美馬に巨人が提示した条件は3年総額5億円ほど。2回目の交渉でこの額に上乗せしたというが、そこからマネーゲームはしなかったようで、結局ロッテに敗れた。鈴木にしても3年5億円規模の提示にとどまった。争奪戦を制した楽天は4年総額7億円以上。巨人は条件面で楽天にかなり後れを取っていた。これまでのFA戦線では、カネに糸目をつけず、欲しい選手はことごとくモノにしてきた。今年の巨人は元気がないな、と球界で話題になっています」

 球団が山口俊にポスティングシステムを使った米メジャー移籍を容認した件にしても、「FA入団時の契約」という以外に、今季タイトルを総なめにした山口側と「金銭面」で折り合わなかったと言う関係者もいる。

 先日、契約更改したエース菅野が年俸6億5000万円の現状維持。今季MVPを獲得し、5億円からの大幅増が見込まれる坂本の更改が控えているという事情はあるだろう。それでも、昨オフはFAで丸を獲得するなど総額40億円規模の大型補強を敢行したことを考えれば、今年はかなり「渋チン」だ。

「原監督が復帰した昨オフは親会社の読売も球団も全力で補強費を捻出したけど、最近は昔のように青天井ではない。今年の補強費はかなりシビアと聞いています。来季も戦力と見ていたゲレーロをリリースしたことに、球団の財政状況が表れています」と読売関係者は指摘する。

 このオフ、新外国人として米大リーグ・ナショナルズから外野手のパーラを年俸1億6500万円で獲得した巨人は4人の新助っ人獲得を目指しているが、どうやらおとなしい補強になりそうだ。

 守れず、性格にムラッ気のあるバレンティンを10億円以上で獲得するソフトバンクをうらやましいと思うかは別として、日本シリーズで4連敗を喫した天敵に、実力だけでなく「財力」の違いまで見せつけられた格好だ。原監督は「なかなか外国人が機能しなかった。ソフトバンクは外国人を含めて層の厚さがあった」と嘆いたが、「選手層」という点で、ますます引き離されることになりそうだ。

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