豊洲市場に“沈没”の前兆 開場わずか500日足らずで異常事態

日刊ゲンダイDIGITAL / 2020年1月15日 9時26分

写真

①「C-03」の柱の左側の壁は奥に引っ込んでいる(市場関係者提供)

 令和初の新春初競りでクロマグロが約2億円で競り落とされ、久々に話題となった豊洲市場。開場から1年3カ月が過ぎ、衝撃の異常事態が日刊ゲンダイの調べで判明した。建物内の一部が部分的に沈下している可能性がある。

「建物がギシギシと歪み始めているのか」――。ある市場関係者は、12日にSNSで投稿された建物内の写真を見て、不安げな表情を浮かべた。「C―03」と記された太い柱の左側の壁が奥に引っ込み、逆に右側の壁は手前にハミ出ている。柱を中心に両側の壁がまるで、「回転扉」のようにズレているようだ。

 一体何が起きているのか。市場関係者たちに取材すると、問題の箇所は卸売場棟1階の南西部「活魚の荷捌きスペース」だと分かった。

 独自入手した複数の写真を見ると、やはり「C―03」の柱の左側の壁は奥に引っ込んでいる(写真①)。正面の壁の下部は大きく前後にズレ、表面に張られたパネル2枚にも大きな切れ目が生じている(同②)。

 左奥の壁の下部には幅30センチほどの裂け目があり、青いスポンジ状の建築部材や黒い構造物がムキ出し(同③)。発泡スチロールのカスや古びた木材片が落下し、壁がズレてから随分と時間が経っていることがうかがえる。壁に車両などが激突した形跡は見られない。

建物の一部が「沈下」している恐れ

「今回のような壁の亀裂は初めて見ました。これまでもあちこちの壁や床面でヒビ割れが生じ、原因は地盤沈下だと判明済み。今回も地盤沈下が原因か、と噂になっています」(市場関係者)

 2018年8月に「週刊現代」は、卸売場棟が立つ7街区敷地内の駐車場棟の基礎工事で、一部の杭が地中深くの固い地盤に届いていない疑惑を指摘。都は否定したが、直下の地層は起伏が激しく、正確に把握するのは困難とされる。そのため、市場関係者の間で「やっぱり杭が届いていないのでは」との不安も広がっている。豊洲市場問題に詳しい建築エコノミストの森山高至氏はこう言う。

「市場関係者の話だと、今回の現場から対角線上の建物北東端に位置する冷蔵庫棟付近の床面にも大きなヒビ割れがあったそうです。考えられるのは、建物南西部の地中の杭が固い地盤に届かず、当該箇所のみ沈下している危険性です。だから対角線上の北東部にも負荷がかかり、ヒビ割れが起きたのではないか。一部のみ沈下し建物が歪むと、壁内部の配管や配線がダメージを受ける恐れがある。今回の現象が沈下の『途中』なのか否かを見極める必要があるでしょう」

 都は亀裂の原因について、「詳細は確認中だが、地盤沈下による構造上の問題ではなく、衝突による損傷だとみている」(中央卸売市場広報課)とコメントした。

 さらなる沈下で、建物が“沈没”なんて事態になれば、大事故は免れまい。小池都知事は知事選前に新たな問題に直面することになりそうだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング