巨人快進撃で宙に浮く「ポスト原監督」…阿部禅譲の既定路線が混沌と

日刊ゲンダイDIGITAL / 2020年7月7日 15時0分

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通算1034勝目を挙げ、ご満悦の原監督(C)共同通信社

 巨人の一人旅が始まりそうだ。5日に5球団との対戦を終えて10勝4敗1分けの首位。他球団の体たらくが目立ち、原辰徳監督(61)は早くも「左うちわ」をあおいでいる。

 開幕カードで3タテを食らわせた阪神は、その後も立て直すことができず、4勝10敗の逆噴射スタート。新外国人の主砲ボーアの不振とリンクして、チーム打率は6日現在、リーグ最下位の・221。チームが最下位に沈む大きな要因となっている。

 巨人が5年連続で負け越している天敵広島もパッとしない。東京ドーム対決で1勝1敗1分けとセで唯一負け越さなかったものの、投手陣のチーム防御率は同4位の4・30。特に救援陣が同4・46と崩壊状態だ。

 象徴的なのは、開幕からクローザーを務め、3日に出場選手登録を抹消された新助っ人のスコットだ。6月21日のDeNA戦で1点リードの九回に4連打を浴びて逆転サヨナラ負け。2日のヤクルト戦も同点の九回に村上にサヨナラ満塁弾を浴びた。スコットは5試合で0勝2敗0セーブ、防御率は21・00。チームも5勝7敗1分けの5位で、今のところ巨人を追走する気配はない。

 2位DeNAのチーム打率・297はリーグトップ。にもかかわらず、76得点は巨人の83得点に及ばない。「ソト、オースティン、ロペスと外国人3人が並ぶ打線は破壊力抜群」と他球団から恐れられるが、勝ち切れない。その理由をDeNAのある首脳陣が声を潜めてこう言うのだ。

「攻撃でベンチが動くことがほとんどないんです。助っ人や中軸が打てば勝つし、打たなきゃ負ける。かつて『4番打者ばかりを集める』と揶揄された長嶋巨人のような大味な野球。これでは巨人に勝てませんよ」

 巨人は開幕早々の先月25日、池田との交換トレードで、楽天から日本通算106本塁打を放っている年俸2億円のウィーラーを獲得した。昨年の日本シリーズでソフトバンクに屈辱的な4連敗を喫した巨人も、セでは圧倒的な戦力を誇る。120試合に減ったコロナシーズンを順当に制してリーグV2を果たせば、来年で3年契約が切れる原監督の契約延長も現実味を帯びてくる。

育児が一段落するあの大本命…

 原監督は4日に監督通算1034勝目を挙げ、長嶋茂雄終身名誉監督(84)の巨人歴代2位に並んだ。そのミスターは球団を通じてこんなコメントを出している。

「私は15年間で1034勝させてもらいましたが、原監督は13年間で1034勝、私は65歳までジャイアンツの監督をやらせてもらいましたから、原監督の61歳は、まだまだ若い。未来永劫、ジャイアンツの地盤がしっかりと固まるまで、チームをけん引してもらいたいと思います」

 原監督は今年62歳を迎える。ミスターが言う「65歳」をメドとするなら、さらに3年間ほど契約を延長しても不思議ではないことになる。

「そうなれば、ポスト原監督を巡る次世代の争いが、再び混沌としてきます」と、さる読売関係者がこう指摘する。

「来季終了後、今季から二軍監督になった阿部慎之助(41)に、原監督から一軍監督の座が禅譲されることが既定路線のようになっています。でも、そんなことは決まっていません。幹部によれば、あくまで『今年と来年で指導者としての適性を見る』ということ。もちろん、現段階では最有力候補ではあっても、もし適性がないと見なされれば、脱落するわけです。さらに原監督が契約を延長すれば、候補者の事情が変わってくる可能性があるのです」

 一体どういうことか。

「永遠の最有力候補・松井秀喜(46)と高橋由伸前監督(45)を推す声が間違いなく出てくる。特に松井の場合、巨人復帰は育児が落ち着いてから考えるとしているそうなので時間が経過すればするほど、巨人監督就任の可能性は高まります。球団の中でやはり別格。松井が首を縦に振った瞬間、道は開けますから。由伸にしても、負け続けた16年からの3シーズンで一度引いてもらっている。幹部には、一定の時間を置き、今度こそ原監督にしっかり地盤を固めてもらったうえで再起させたい思いがある。原監督の今後の去就次第で、次は阿部監督という既定路線は根底から揺らぐことになります」(前出の関係者)

 昨オフ、現役を続行するつもりだった阿部を説得し、二軍監督に据えたのは、他ならぬ原監督だ。もちろん、自身の後継者にするためである。が、巨人がぶっちぎればぶっちぎるほど、自身がその座に居座れば居座るほど、阿部が脅かされるという皮肉なことになりそうなのだ。

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