家政婦(夫)ドラマなぜ増えた?SNSに過敏すぎるメディア

日刊ゲンダイDIGITAL / 2020年8月2日 9時26分

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松重豊(左)と大森南朋(C)日刊ゲンダイ

【 桧山珠美 あれもこれも言わせて】

 ドラマで男の家政婦さんが大活躍だ。「私の家政夫ナギサさん」(TBS系)の大森南朋、「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)の松岡昌宏、そして「きょうの猫村さん」(テレビ東京系)の松重豊。

 猫の着ぐるみで猫の家政婦・猫村さんを演じる松重には最初違和感しかなかったが、すっかり見慣れた。特製ネコムライスをはじめ、お料理、お掃除、お洗濯、家事全般を完璧にこなす猫村さんがむしゃくしゃすると庭の土を掘ったり、爪を研いだり、シャーと威嚇するポーズをしたり。猫っぽいしぐさがなんともシュール。5分のミニドラマなのに濱田岳、石田ひかり、安藤サクラ、小雪……と出演者が豪華で主題歌を作曲したのは坂本龍一。

 大森は「おじキュン」なるワードとともに癒やし系おじさんとして人気急上昇。コワモテの麿赤兒の遺伝子を持つ大森がエプロン姿の家政夫。ギャップ萌えというやつか。部屋を掃除、おいしい夕飯も用意してくれるナギサさん、多部ちゃんが羨ましくなる。

 家政婦はなぜ男性なのか。昨今、ドラマにああだこうだとモノ言いをつけるヤカラが多い。SNSなるお手軽な発信手段を手に入れたものだから、思ったことをよくも考えず書き散らかす。やっかい。それをご丁寧にマスメディアが面白おかしく扱うからますます調子づく。家政婦が女性なら女性蔑視うんぬん……。そこで男の出番? と察する。

 初回22.0%、第2話22.1%と絶好調の「半沢直樹」(TBS系)にもケチをつける。銀行幹部は全員男性。半沢(堺雅人)の妻・花(上戸彩)は専業主婦で癒やしの存在。「内助の功を押し付けている」。さまつなことにつぶやきアラ探しする。考え方が違っても見たいなら見ればいい。妻に癒やしを求めて何が悪い。上戸みたいな嫁がいいなと思ってはイケないのか。複数の番組でやっていた「ポテサラ論争」も同じだ。メディアはネットを過信し過ぎ。つぶやかない多くの人たちの本音を探るのが役割のはずだ……。

■最初から文句を言われないようにしておけば…

 そういえば、「半沢直樹」の中で流れたカネボウの新CMにも批判が殺到しているとか。「生きるために、化粧をする。」というコピーにカチンときた女たちが「女性は化粧をしないと死ぬってことか」と抗議しているという。「女は化粧しないと死ぬと脅してまで売りたいか」だって。

 成人式の写真撮影以来、まともに化粧したこともない私が言うのもなんだが、やりたくなければやらなければいい。「生きるために、化粧をする。」=化粧しない女性は死ぬぞなんて極論過ぎる。

 モノ言い族は面倒。闘うのはもっと面倒。だったら、最初から文句を言われないようにしておけばいい……。ということで家政婦(夫)さんドラマが増えたとしたら由々しき問題だと思う。

(桧山珠美/コラムニスト)

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