日産フェアレディZ(プロトタイプ)はなぜ12年ぶりに復活したのか?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2020年9月23日 9時26分

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フロントバンパーの横長真四角グリルは240Zの現代的解釈(写真)小沢コージ

小沢コージ【クルマは乗らなきゃ語れない】

 日産フェアレディZ(プロトタイプ)

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 先週、業界中の話題をさらったクルマと言えば、圧倒的に「ニューZ」! 12年ぶりに発表された日産伝統のスポーツカー、7代目フェアレディZだ。

 今年5月のオンライン記者会見で突如「日産ネクストFrom A to Z」なる大型新車投入計画発表。今後18ヶ月で12車種投入という怒濤の戦略だが、中でも驚かされたのは、最後にシルエットで登場したアルファベットで最後の文字となるZの存在。

 他はピュアEVのアリアやSUVのフロンティア、キックス、ナバラなど現実的なモデルばかりで、イマドキピュアなスポーツカー計画は一瞬無謀にも思えた。なぜならスポーツカーは世界的に人気はあるけれど、売れないクルマの代表。そりゃそうだ。同じ自動車税や駐車場代を払うなら、人が4〜5人乗れる実用車を求める人が大半で、2人程度しか乗れないスポーツカーを買う人は限られる。事実定番人気のマツダ・ロードスターを見ても、国内月販は数100台程度が関の山。それも前期の決算で6000億円台の赤字を出し、今期も同程度の赤字が見込まれる日産が新型スポーツカーを出すなんて。

初代Zのオマージュたるデザインの凄さ

 しかし、9月16日に日産の新聖地たるニッサン・パビリオン・ヨコハマで発表された新型Zの出来映えはマジも大マジだった。4382mm×1850mm×1310mmの全長×全幅×全高は、現行Zからひと回りアップしただけの現実的サイズ。前が255/40R19、後が285/35R19の前後異径タイヤも現行モデルの延長線上だし、現行スカイライン400R用に搭載されている405psの3ℓV6ツインターボ搭載を考えるとそれくらいのタイヤ幅は必要だ。

 さらに1969年生まれの初代Zのオマージュたるデザインが凄い。ロングノーズ&ショートデッキのFRフォルムはどっからどうみてもZ。特にフロントバンパーの横長真四角グリルは、完璧に240Zの現代的解釈。

 さすがに完全丸目とは行かなかったがティアドロップ型のLEDヘッドランプやこれまた横長四角のテールライトも完全に歴代Zデザインの韻を踏んでいる。

意味するのは日産の物作りの復活

 丸型3連メーターが取り入れられたインテリアも驚くほどクオリティが高く、このまま実車化するのは間違いない。フェアレディZは翌年辺りには完全復活するのだ。

「Z復活は例のカルロス・ゴーン路線との決別の象徴! 儲かる儲からない以上に日産の物作りの復活を意味するのです。SUVや軽自動車もいいけど、やはり日産はスポーツカーを作っていて欲しいというお客さんが根強い。これは日産復活のための重要なブランディングの1つです」(経済雑誌記者)

 自動車ビジネスは品質も大切だが伝説も大切。果たして本当に日産は復活するのか? Zの成否は日産の運命を左右するはずなのである。

(小沢コージ/自動車ジャーナリスト)

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